第１話　”謎の種”　

　愛媛県に暮らす作家、山下安音のもとに、突然届いた”謎の種”。

送り状には、中国郵政とあり、内容物は、指輪と書いてあるのに、

透明な袋の中には、黒い種。安音は、怪しい、地域の種との交配に

よる遺伝子組み換えを狙った陰謀ではないかと最初、疑念と恐れ

を感じたが、生来好奇心が旺盛なので、とにかく、鉢植えで種をま

いてみて、発芽観察して、様子を見ようとの探求心が押さえられなくなった。

「まあ、オカシイとわかったら、止めればいいのだし。」

　ネットニュースでは、同様に種を送り付けられた人々がおり、アメ

リカ50の州で送り付け不審事件の報告。カナダ、イギリス、日本に

も。中国政府筋は、アメリカ外交筋に対して、差出人の中国郵政は

偽造、調査の必要があるので物証の種を提供して欲しいと要請。

中国政府の捜査はどこまで進展するのか。深層がわかれば、謎も解ける。

　ツイッターを開くと、

「中国郵政から謎の種が届くというやつ。これのこと…なのか・・・？

アマゾン用の住所に届いたから、確実にアマゾン個人情報が漏れ

たことは間違いない」と。

　どうも、中国発送が大半だが、ベトナムなど他国からの郵送もある様子。

「送り主の目的は何？これだけ大規模に送り付けた主には、何らか

の意図があるに違いない。」

「種と土壌の関係性を知って、地球規模の改善を志しているのでは

ないのかしら？」

　安音は、善意の解釈を想像してみた。送り主は、自然界の在来

種、固定種には、地球を再生させるパワーがあることを世界に知ら

せるために、あえて不審事件として、報道させるように、企んだので

はないのか？地球市民に地球上の”種”の存在と、その背景の腐っ

た金融支配家の陰謀について考えさせる目的で？遺伝子組み換え

やF1処理された種に反対する環境運動の仲間たちは、皆、在来種

の保全に努めている。それなのに、日本政府の種苗法改正案は、

種の特許で儲ける企業の利益しか考えていない。農家さんが種を

自家採取できないなんてとんでもない事態。自然相手の農業を、工

業にしてしまえば、循環型農業は廃れ、農薬の多用で微生物は激

減し、土壌は劣化し、自然環境、地域環境は、生き物に病気をもた

らす汚染循環になってしまう。何としても、この愚行をワールドシフト

させるとの使命感を抱く有志は世界にはたくさんいるはずだ。

　「海外から届く“謎の種”の問題」で注意喚起。「植えたり開封した

りせず相談を」。植物防疫所によれば、日本に植物の種を輸入する

場合、通常は植物防疫法の検査が必要。この検疫が省略されてい

るため、むやみに開封したり、植えてもいけない。防疫上深刻にな

るのは、感染症の病原体や寄生生物といった「目に見えない外来

種問題だ」とダニ学者が訴える。ヒアリは、動物や輸入資材にくっつ

いて隠れて侵入したらしい。2017年、南米熱帯原産ヒアリが神戸で

見つかり大騒ぎになった。ヒアリは攻撃性、毒性が高く、刺されると

痛い上に、アナフィラキシーショックで死に至るケースも。2019年秋

には東京品川埠頭でとうとう野生の巣が見つかってもいる。しかし、

植物の種に病原体が仕込まれている可能性は低い。ウイルスは、

生きた細胞や細菌の中でしか生存できないのだから。

第２話　”種日記”

　安音は、みつばちを飼い始めていた。地域に花を咲かせ、実を成

らせ、種を保全していくには、優秀な天使の助けが必要不可欠だか

らだ。ミツバチの”種の保全”も同時に育てていかないと、優秀な在

来種を守っていくことはできない。安音は、種が育つことに喜びを感

じている。柚子の種などは、生ごみ堆肥場から、何もしないのに、い

つの間にか苗木ができていたりする。種は発芽の土壌環境条件さ

え整っていたら、どこからでも芽生えるという秘めたパワーを持つ。

安音は、散歩の時に見つけたニラの種などは、散歩途上のあちら

こちらに撒いて、増やそうとする。そうしておけば、いつか助かる人

も出てくるのではないかと粘土団子の福岡正信さんの思想を引き

継ぎ、密かな花咲か爺さん作戦を繰り広げているのだ。アメリカで

は、平和のためのアップルロードを創った人がいるそうだ。平和活

動家のためにリンゴの種を植えていった人は、「誰も飢えない。誰も

見捨てられない理想世界を作りたかったのだ」。安音も絵本「木を

植えた男」に倣って、地球上のあらゆる地域に笑顔と平和の花を咲

かせたい。安音は、これを機会に種日記をつけていこうと決意した。

　２月1日、カラ咳が始まった。熱はない。図書館で拾ってきたらし

い。今日、鉢植えで種をまいてみた。

　2月2日、中国武漢では道でばたばた人が突然死しているらしい。

肺病の原因は、コロナウイルスの新種？５G基地局周辺では鳥が

バタバタ死んでいる。５Gがマイクロバイオータを錯乱しているとし

たら？60GHzは酸素分子に揺らぎを与えヘモグロビンを分離させ、

細胞に酸欠をもたらす。

　３月31日、緊急事態宣言が都市に出た？ロックダウン・東京封

鎖？ 種は、発芽。順調に成長。紫蘇科のハーブの香りがする。

　4月15日、アメリカ人の友達より、”山椒の種”を送ってくれとの依

頼あり。中身をイヤリングとすれば、郵送可能か？やはり、謎の種

はエゴマだったのか。

　4月16日、マスク、ソーシャルディタンス、三密。日本はますます、

世界の金融支配の罠にはまり、毒ワクチンの強制接種へカウントダ

ウンか。５Gの周波数が身体を破壊しているのに、まだ、人類は気づかない。

第３話　”謎の石”

　今日、また、不思議な”謎の黒い石”が届いた。「あなたは合格で

す。ムーミン谷の石で水の浄化を始めてください。このエネルギー

石には結界の力が働きます。あなたの望みを叶えてください。」との

手紙付き。

　調べてみると、この『シュンガイト石』は、ムーミン谷として有名な

フィンランド国境近くのロシアのカレリア共和国から採取。まだ地球

に動物や植物が存在していない20億年前の地層から1985年に発

見された。1992年に、この石には自然界では珍しい、C6oフラーレ

ンが含まれていることがわかった。その後、京都大学の分析で、重

量比で約20ppmのC6oが含まれていると。宇宙エネルギーが作る

炭素フラーレン６０の構造には、地球の水を蘇生、浄化するパワー

が存在するらしく、電磁波対策や水の浄化に役立つらしい。

　この謎の鉱物は、隕石なのか、火山岩なのか、まだはっきりして

いない。シュンガイト鉱石は、その地域で古くからヒーリングストー

ンとして親しまれており、特にヒラー、チャネラー、スピリチュアルカ

ウンセラーが使っており、精神世界からのメッセージを受け止るた

めの魂の浄化にも活用されている。

　安音は「このイヤシロ地づくりの原理を、地元の石、構造線上の

水岩石、樹木が堆積したできたジェット原石、珪素石、土岐石など

で応用できないかしら？」と考えている。

「太古の昔、地球が誕生した時、そこには、ミネラルしか存在しなか

った。ミネラルと太陽光エネルギーから光合成細菌などの微生物が

生まれ、植物が生まれ、数々の生き物が誕生。蘇生の働きをするも

のは、遠い国にあるのではなく、今、ここにもあるに違いない。日本

列島は海嶺から隆起。太古の海底のマグマが特に、四国の構造線

上にはあるのだから。この純粋な鉄を含むミネラルから誕生する微

生物が蘇生のスイッチを押すのは間違いない。」

　「シュンガイトは、周期律表のほぼすべての要素で構成されてい

る点が興味深い。シュンガイトは磁場を作ることなく電流を蓄えるこ

とができるという特徴は、さらに可能性の扉を感じさせるわ」と呟いた。

第4話　風の谷のアンネ

「この谷はいい。いつ来ても心が和む。水も空気も汚染されていないのだから不思議だ。」

「今度の旅はどうじゃった？」

「うーん。酷いものだ。北の国でまた二つ腐海にのまれてしまった。

腐海は着実に広がっているのに、どこへ行っても戦に飢え、不吉な

影ばかりだ。なぜ、この谷のように平穏に暮らせぬのかのう？」

「ここは、海から吹く風に守られ、蘇生還元のシステムが働いておる

からのう。腐海の毒もこの谷では浄化できるのじゃよ。どうだ、ユー

ジン、この谷に腰を据え、アンネが取り組んでいる腐海の浄化シス

テムを完成させてはくれまいかのう。」

「その者、青き衣をまといて、金色の野に降り立つべし。失われし大

地との絆を結び、ついに、人々を青き清浄の地に導かん。誰かが

やらねばならんのじゃよ」

　安音は、物語「風の谷のアンネ」を書き始めていた。ここ四国で

は、福島原発事故からの核汚染の被害は最小限で抑えられた。チ

ェルノブイリ事故では、ドイツの牛乳が汚染され、福島事故では、ハ

ワイの牛乳が汚染されたのに、四国の牛乳が汚染されなかったの

は、奇跡に近い。安音は、福島原発事故以来、ずっと、この核汚染

問題の解決のための量子力学研究を続けている。核汚染環境を浄

化するシステムは、原子転換。すでに、ロシア科学が核種ごとに違

うその周波数を特定している。この周波数を放射能汚染地域全体

にもたらすのは、バイオ炭と微生物と鉱物と植物が発するハーモニ

ー。水素の電子が干渉する縦波の波動エネルギー。これまでの実

証実験で一部成功しているのは、関秀男さんのグラビトンとＥＭの

縦波の波動。微生物が生成した酵素を加えるＥＭＢＣ。オオマサガ

スのＨ２Ｏ２の酸素水素ガス。

　「鶏の餌に花崗岩の粉を混ぜると、体内でカルシウムに原子転換

して、丈夫な殻を創る。原子転換は日常的に起こっている現象なの

だ。その条件設定さえわかれば、核汚染の蘇生浄化システムは動

くはず」

「世界は、この蘇生浄化システムを待ち望んでいる。その鍵は、地

球環境の誕生のプロセスを辿ることか？この天からの啓示を生か

すにはどうすればよいのだろう？」

　7月31日、「エゴマの香りに虫が寄って来たようだ」この珍しい虫は何？