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■東日本大震災の300人委員会「世界人間牧場計画」的解釈(6)

三百人委員会b-4329
: 陰謀家たちの超権力構造 ついに暴かれた秘密世界政府の“極悪"正体!
第1部 概説・三百人委員会(目的と手段;悪魔の一群)
第2部 コントロールの内幕(タヴィストック研究所;スタンフォード研究所)
第3部 麻薬取引の実態(狂気へ追いこまれる社会;中国アヘン貿易の真相;現代の麻薬ビジネス)
第4部 現代の植民地支配構造(統一世界政府への道;三百人委員会の権力構造;三百人委員会の世論操作;ウォーターゲート事件の真相)



第5回目の今回は、コールマンのいう「世界人間牧場計画」21項目のうち「3.世界の大宗教、特にキリスト教の壊滅を計画し、実行する。唯一自分たちの宗教だけを認める。」及び「15.信教の自由という思潮を世界中に輸出し既存の真摯な宗派、とりわけ我らがキリスト教の根底を揺るがす。」について考察してみたい。

 まず最初に申し上げたいのは、宗教は二つ存在するという点である。

 「布教をする宗教」と「布教をしない宗教」がそれである。

 西洋人や現代の日本人が、宗教というと思い浮かぶのはキリスト教・イスラム教・日蓮宗その他新興宗教といった「布教をする宗教」のイメージである。

 しかし宗教が自然発生した時点では「布教をしない宗教」しかなかったわけで、どの地域においても「布教をする宗教」が外部から入ってくるまでの間は、何れも土着の「布教をしない宗教」の下で暮らしていた(日本も仏教が入ってくるまでは同様)。

 つまり、「布教をする宗教」というのは本来の宗教の姿からすれば、ある種異端であり作為的な存在なのであって、何者かが何らかの意図を持って作り上げたものに違いないのである。

 事実、現在の新興宗教の多くは、経済的・政治的動機によって教団の勢力拡大を図るべく布教活動を行っているし、大航海時代のイエズス会などはスペイン・ポルトガルの植民地獲得の尖兵としての役割を担っていたのである。

 そのような「布教をする宗教」には次のような特徴がある。

(1) 布教先の住民を説得するために論理的・体系的な教義・教典を備えている。

(2) 強力な布教組織を持ち、布教先の住民が従わない場合に備えて戦闘・武闘要員も抱えている。

(3) 従来の土着宗教や他の「布教をする宗教」を排除するために、教義のうちに必然的に「不寛容性」を伴っている(排除しないと入っていけない)。

(4) 教義の説明をシンプルにし布教先の住民の理解を早めるため一神教の形式をとることが多い(土着宗教は一生かけて生活の中で自然に体得していけばよいのであるから「八百万の神」でも支障ない)。

 西洋人は典型的な「布教をする宗教」であるキリスト教・ユダヤ教・イスラム教の世界にどっぷりと漬かっていたために、宗教的に「不寛容」であり「教義」にはとても敏感である。

 それに対し、一般の日本人は「八百万の神」的な感覚を持ちあわせているために、他の宗教に対し寛容であり、宗教を論じる必然性をあまり感じていない。単に社会的な風習(七五三・結婚・葬式etc)のひとつとして、その儀式の外形のみを自分の所属する集団のメンバーと共有しているだけで、教義などどうでもいいのである。

 そのため、どうも「世界の大宗教、特にキリスト教の壊滅を計画し、実行する。唯一自分たちの宗教だけを認める。」などという大それたことを行わなければならない必然性が理解できないし、当然に眉唾と判断することになる。「そんなつまらないことに誰が命を賭けるのか?」「なんぼのもんやねん」てな話である。
 
 しかし世界には何世代にもわたり執念深く、命を賭けてキリスト教を滅ぼそうとする宗教勢力が確かに存在する。ここでは主な3つの勢力を紹介しておきたい。

 一つはユダヤ教の内にある。

 ユダヤ教は大きく3派に分かれており最大の勢力を持つものは正統派(オーソドックス)と呼ばれているもので、「世界人間牧場計画」の陰謀とは無関係の普通のユダヤ人が属している教派である。これに対し残る2派改革派(リフォーム)と保守派(コンサバティヴ)のうち改革派こそが「世界人間牧場計画」の本丸であると考えられている。

 17世紀のシャベッタイ・ツヴィに始まる改革派は元来グノーシス主義的なオカルト思想を特徴としており、18世紀に入りロスチャイルドの支援を受け、同じくロスチャイルドがイエズス会士ヴァイスハウプトに命じて創設したイルミナティと共にその運動の担い手となって行った。

 その秘密結社イルミナティは、1784年にバイエルン政府により摘発された。バイエルン政府が、その捜査結果をもとに、キリスト教を含む世界の大宗教の壊滅を図るそのおぞましい計画の全容を記した「イルミナティ組織による原文書」を公式に作成・公開し、各国の指導者宛送付したことは紛れもない歴史的事実なのである。

 もう一つは、何とローマカトリック内にある。

 表面的にはローマ教皇の強固な藩屏とされるイエズス会であるが、イルミナティ創設者ヴァイスハウプトの出身母体であること、カトリックの教えに反し妊娠中絶・同性愛を容認していること等から、ローマカトリックを内部から侵蝕することを使命としたルシフェリアンの一派であると考えられる。
 
 また会士には多数のマラーノ(スペインの改宗ユダヤ人、苛烈な異端審問のため意に反して改宗した者が多い)が含まれているとも言われているのも気になる。

 彼らイエズス会によるキリスト教の破壊が如何なるものかについては、300人委員会メンバー「ジョセフ・レツィンガー」がベネディクト16世として現教皇に据わっていることが全てを物語っているのである・・・。

 最後の一つは、共産主義(特に世界同時革命主義)である。

 彼らは唯物論を推しているだけで宗教ではないのではないかとお考えの向きもあろうが、唯物論の持つ「無神論」という側面は宗教的観点からも立派に評価できる。

 ルシフェリアンが悪魔崇拝教が全てを支配する世界を作るに際して、如何にも科学的であるかのような外観を取る共産主義(特に世界同時革命主義)思想で若者を洗脳し、この世に神などいないのだという無神論を刷り込むことで、既存の宗教に打撃を与えようとしてきたのである。

 ご存知のとおりこの世界同時革命主義の首魁はトロツキーであり、スターリンはこれを殺すことによって世界同時革命の流れを押し留める役割を果たした(動機は自己保身からであろうが)。

 ルシフェリアンは、以上の宗教的勢力を使嗾し、次のような手法を複合的にもちいながら非ルシフェリアン(ルシフェリアン以外のユダヤ人を含む)から宗教を奪い去り、その「宗教の砂漠」の上に、支配者たるルシフェリアンだけに許される秘儀に彩られた悪魔崇拝教を唯一君臨させようとしているのである。

(1)全ての非ルシフェリアンたちに戦争・災害・疫病・貧困・飢饉・社会的迫害など「これでもか」というほどに過酷な運命を与え、この世に絶望させ、非ルシフェリアンたちが信じる神がいかに無力であるかを思い知らせる。

(2)この世に神などいないのだということを、共産主義思想など相当に体系化された理論で洗脳しながら、確信させる。

(3)麻薬・異常性欲・ギャンブルなどの退廃的な文化を蔓延させ宗教心を支える健全な道徳観を破壊する。

(4)拝金主義を横行させ、ルシフェリアンが既に完全支配している「金」のみが唯一の「価値」であると信じ込ませる。「金」の土俵でルシフェリアンと相撲して勝てる者はいないため、ルシフェリアンの世界支配は磐石のものとなる。

(5)政治的・経済的欲望に塗れた「布教をする宗教」を蔓延させ、宗教そのものに対する不信感・嫌悪感を増大させる。

(6)コールマンのいう「世界人間牧場計画」21項目のうち「15.信教の自由という思潮を世界中に輸出し既存の真摯な宗派、とりわけ我らがキリスト教の根底を揺るがす。」ということである。憲法に定められた「信教の自由」は、その法的強制力により、地元に根付き習俗・文化と一体化した土着の宗教をまさに生爪をはがすが如く剥き取ることで、その跡に「無神論」や歪んだ「布教をする宗教」を移植するための下地作りの役割を果たすのである。
 
 今回の東日本大震災テロは、300人委員会の立場からすれば、上記の(1)の役割を果たしたことになる。

 東日本大震災テロのベースはあくまでも米国軍産複合体及び国際金融資本による「カツあげ」であろうが、ルシフェリアンがこれだけ大掛かりなテロを仕掛ける場合には、複数の目的が重なり合っている場合が多いのである。

 被害に遭われた皆さんを表現するのに「全てを失った」と一言で片付けてしまいがちであるが、一つ一つを書き上げて見るとよくわかる。「両親」「兄弟」「子供」「友人」「家」「自動車」「職場」「故郷」「未来」・・・いくらでも挙がってくる。

 この絶望的な状況を目前にしながら、菅内閣は「故意」に復興事業を遅らせることによって、口先ばかりのきれい事で実は誰も手を差し伸べてはくれないという、現代の日本社会の「当たり前」を思い知らそうとしている。

 また菅内閣は、ルシフェリアンの命ずるまま、日本列島を放射能汚染のフィールドワークの場にして、関東圏を含め何千万人もの日本国民に放射線障害(奇形・ガンetc)の地獄を「故意」にもたらそうとしている。
 
 殊に福島県内の小学校や幼稚園の被曝限度を年間20ミリシーベルトと設定するなど言語道断である。
これが如何に危険なことかは、放射線安全学の専門家で内閣官房参与の小佐古氏が「とても許すことができない」と非難した上で、自分の将来を棒に振って辞任したことからも確信できる。

 さらに菅内閣は、この東日本大震災を口実に増税(殊に消費税)を図ろうとしているが、まさに狂気の沙汰である。

 100兆円に達するであろう今回の復興費用を増税だけで間に合わせることは到底不可能なのであるから、「米国債を売らない」「国債発行を見送る」となると、答えは一つ「現在の水準までには復興しない。させない。」ということになる。こうして日本はルシフェリアンたちの描いたシナリオどおりに衰亡の道をたどることになる。

 まさに、神も仏もないこの地獄は、実際に被害に遭われた方々ばかりでなく、それを傍観する我々の身にも、ルシフェリアンの手先達にも間違いなく降りかかってくるのである。

 ここで忘れてはならないのは「我々は神仏により予め救われた存在である」ということである。

 今、神仏の掌の上で「ルシフェリアンを含めた我々」は試されているのである。





 第6回目の今回は、コールマンのいう「世界人間牧場計画」21項目のうち「4.マインド・コントロールやブレジンスキーが提唱する「テクトロニック」によって、人間を管理、コントロールする手段を確立する。」について考察してみたい。

1.マインドコントロール

 まずはマインドコントロールについてであるが、この概念が注目されだしたのは、1978年の有名な人民寺院事件である。

 人民寺院は、教祖のジム・ジョーンズが1963年にカリフォルニアに設立した有力なカルト教団で、政治家・財界人にも多くの支持者がいた。当初は黒人差別撤廃を看板に活動していたが、何故か1973年にガイアナの密林地帯に信者ともども本拠を移し、1978年のレオ・ライアン下院議員訪問に際して議員一行を殺害すると共に、子供を含む信者914名が集団自殺(他殺も含む)したというショッキングな事件であった。

 この事件を心理学的観点から分析していく中で、一見本人の自由意志に基いて判断しているように見えても、実は外部の影響により一定の行動を取らされているという現象が明らかになり、「マインドコントロール」という概念が認知されるようになった。

 日本でも山崎浩子の統一教会脱退騒動をきっかけに一般に知られるようになった。

 また、危機を演出し世論を誘導する巧妙な大衆マインドコントロールによって主戦論を喚起し米国が仕掛けた戦争は数多い。主なものを列挙してみると

 米西戦争←メイン号事件

 第一次世界大戦←ルシタニア号事件

 太平洋戦争←真珠湾攻撃

 ベトナム戦争←トンキン湾事件

 湾岸戦争←イラクのクウェート侵攻(これも米国の謀略)

 イラク戦争←911テロ

 これらは皆マスコミを利用した「世論調査」等のマインドコントロール技法の成果である。日本でも小泉政権以降の政局において「大成功」を収めているのはご存知のとおり。

 そして、さらに恐ろしいのは音波や電磁波によるマインドコントロールである。

 まず、音波によるマインドコントロールの研究は、集合的無意識といった超心理学の研究の一環として旧ソ連において早くから行われており、コールマンの「300人委員会」の中でも次のように紹介されている。

 人間をコントロールするためのサブリミナルな命令「メッセージ」の注入は、音として人体には純粋な雑音にしか聞こえない「ホワイト・ノイズ」や音楽という伝達媒体が使用される。この媒体によって人間の潜在意識は、「メッセージ」すなわち命令条項を受容させられる。
 極低周波不可聴音(VLFIS)を利用した「ホワイト・ノイズ」や音楽は神経組織ではなく、骨組織を伝導してその個体に影響を与える(骨伝導原理を用いた携帯電話が一時期発売されていたことをご記憶の方もおられるだろう)。この種の音響を利用したマインド・コントロールから逃れるのは、不可能に近い。
 送られたメッセージを唯一完全に防御できるのは、完全身体保護(TBP)と称する方法のみであろう。人格をコントロールする「メッセージ」は遮断されない限り、顕在意識レベルを回避して、瞬時に人間の潜在意識を直撃し、結果はすぐさま現れるのだ。

 次に、電磁波によるマインドコントロールについてであるが、こちらも旧ソ連において研究が進んでいた。用いられるのはELF放射線と呼ばれる電磁波で、細胞膜の性質や神経伝達物質の働きを変化させ、抑うつ症状の原因となるコリン作用性ニューロペプチドの分泌を促進させる効果が確かめられている。

 コールマン氏の別の著作では、同様の研究に関する米国海軍情報局(ONI)のレポートの要約が紹介されており、ELF場(9次元に存在する)に入った「被験者」に次のような変化を引起すと記している。

(1) 時間認識の変容
(2) 動物胎児における障害および変性
(3) 老化過程の促進
(4) 骨の成長の抑制
(5) 人体の免疫過程への影響による発病
(6) DNA処理過程への影響
(7) 細胞の破壊
(8) 睡眠の誘発
(9) 人間の脳波への影響
(10) ホルモンレベルの変容

 ここに記述されているような方法を使って、特定の人物をうつ状態にし自殺に追いやったり、社会的に影響力のある人間に特定の思考性向を植え付けたりすることが技術的に可能になっているのである。

 日本の政治家や、ネット界の著名な人物で、行動・発言が不自然な(端的に言えば狂っている)者(誰とは申しませんが・・・)がいたら、こうした恐ろしい仕組みの犠牲者となっている可能性もあるということである。

 実は人民寺院事件に、こうしたマインド・コントロール実験が関係しているという説もある。

 なおソ連の超心理学研究の成果について一般向けの解説をソ連が公式に行ったものとして旧ソ連大使館が発行していた「今日のソ連邦」1990年5月号(確か最終号)中の記事がある(ソ連邦崩壊のどさくさに記事にしてしまったようだが、何せソ連政府のお墨付き)。マインドコントロールそのものを解説したものではないが集合的無意識の所在が高次元空間にあると明言している点が画期的(西側諸国では情報操作によりトンデモ学説扱いされる内容)で、ソ連の超心理学研究の先進性に驚かされる。

2.ブレジンスキーが提唱する「テクトロニック」

 後のカーター政権の安全保障問題担当補佐官で「民主党のキッシンジャー」ズビグニュー・ブレジンスキーは、1970年に刊行された論文集「BETWEEN TWO AGES」の中の「The Global Impact of the Technetronic Revolution(テクノトロニック革命の世界的衝撃)」という論文において、現在の高度な監視社会を予言する次のような指摘を行っている。

(1) 個人を社会的・政治的にコントロールしようとするようになる。
(2) 通常の個人データに加えて個人の健康状態や行動までを詳細に記録したファイルの完備が求められる。
(3) こうした情報は専門機関によって統括される。
(4) この専門機関が権力を握り、将来の社会的危機を予測し対策をたてるようになる。
(5) 今後数十年の間に独裁制への傾向が強まり従来の政治的手続(民主主義的手続のこと)を踏む余地がなくなっていく
(6) 世紀末にかけて「人間のように機能し思考能力を備えた存在(アンドロイド?)」の創造、マインドコントロール、遺伝子操作による問題がでてくる。

 現在主要先進国では、監視社会を支える技術的・社会的・法的基盤が複合的・多層的に連携・補完しあうことで、既に高度な監視社会が形成されてしまっている。
 そこでは「監視する者」と「監視される者」の間に顕著な情報格差が生じ、「監視する者」が持つその圧倒的な情報量は、政府・大企業といった支配層へのさらなる権力の集中をもたらしている。
 ブレジンスキーのいうように「独裁制への傾向」は明らかに強まっているのである。

 現在の監視社会を形作る様々な要素を分類整理すると次のようになる。
 この分野に関しては、ブレイクダウンすると相当の記述量になるため今回はキーワードのみを紹介するに留めたい(詳細は近日中に別途に論述する予定)。
 興味がおありの方はこれらキーワードをウィキペディアあたりで調べて見るとよい。ここまで監視の目が張り巡らされていることに改めて驚かされる。

(1) 技術的基盤
・インターネット
・情報端末
・モバイル通信技術
・大容量記憶媒体
・顔認識システム
・音声認識システム
・テキストマイニング
・ICタグ
・安価で高性能の監視カメラ
・DNA解析
・GPS
・テンペスト(電磁波盗聴)
・ハッキング技法(治安機関によるハッキング)

(2) 社会的基盤
・携帯電話網
・住基ネット
・エシュロン
・電子マネー
・twitter
・Nシステム(交通取締)
・taspo
・電子投票(米国)
・地図情報システム
・駐車監視員制度
・ネットショップ

(3) 法的基盤
・盗聴法
・ネット規制法(アクセス記録開示手続簡素化)
・児童買春・児童ポルノ処罰法・青少年保護条例
・愛国者法(米国)
・共謀罪(刑法改正)
・ミーガン法・ジェシカ法(米国・性犯罪者監視)

 では、この度の東日本大震災テロは日本の監視社会化にどのような影響を及ぼすのであろうか。

 一言で云えば、「日本版911テロ」という位置付になるということである。

 米国における911テロは、石油利権の確保等様々な目的を持っていたことが明らかになっているが、後の愛国者法に代表されるように、私権を規制し国家の統制を強める口実を作り米国の監視社会化を促進することが「300人委員会」的には最も重要な目的であった。

 東日本大震災テロは、米国軍産複合体及びユダヤ金融資本の「カツあげ」を主目的としたものであるが、副次的にはやはり日本における国家統制の強化を目的としていたものと云える。少なくともこれ幸いと、日本の支配者層が、その統制力をより強めようとすることは間違いない。

 その兆候は早くも、現れている。

 まず第一に「ネット規制強化法案」の閣議決定である。

 この法案は、コンピュータウィルス作成罪に関するものではあるが、次の4項目については、ネット上の言論を監視・規制する機能を強化することに繋がる。

(1) バックアップデータも一括して差押えることができるようにする。
 従来は差押さえる物理的な記録媒体を個別に指定する必要があったが、差押対象データを概括的に指定するだけで済むようになり検察側の手間が大幅に省け、気軽にデータの差押ができるようになる。

(2) データの所有者に差押対象データのコピー又は印刷を命じることができるようにする。
 サーバ機の操作は外部の人間が簡単にできる訳ではないため、所有者にコピー又は印刷を命じることができるようになれば、これまた検察側の手間が大幅に省け、気軽にデータの差押ができるようになる。

(3) データの所有者に電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができるものとする。
 (2)と同様の効果がある。

(4) 差押状がなくても裁判所を通さない「保全要請」という形で、通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴を30日間消去しないよう求めることができるものとする。
 裁判所を通さないで済むので(2)(3)と同様の効果がある。
    
 そして何とこの閣議決定は震災当日3月11日の午前中になされたのである。これは事前にテロの情報を入手していた菅内閣が、東日本大震災テロ後のネット世論の規制を意識して、テロ実行ぎりぎりに閣議決定に持ち込んだものとしか思えない。

 第二に、総務省から出た「ネットデマ削除要請」通達である。

 これは業界団体を通じて、インターネット上の地震等に関連する情報であって法令や公序良俗に反すると判断するものを自主的に削除することを含め必要な措置を講じるよう通達を出したものである。

 「デマかどうか」「公序良俗に反するかどうか」といった点については、裁判においても相当に高度な判断を要する部分であり、こうした重大な判断を、法的手続なしに一民間企業であるプロバイダの一存で決めてしまうというのは、言論の自由に対する明らかな侵害である。まさに米国の愛国者法に繋がる危険な動きといえよう。

 第三に、警察庁が4月1日に行った「東日本大震災に係る」7件の削除依頼である。

 これは、総務省から出た「ネットデマ削除要請」通達に連動してのものと受け取るべきである。

 具体的には週刊ポストの5月6日・13日合併号を参照いただきたいが、「原発情報 4号が本格メルトダウンで関東一円はできる限り西へ避難だって」という、その後の新たな情報からは、まさに事実ではないかと思われるものまで「風評」とされている。

 また、同じ週刊ポストの記事において、業界団体の社団法人テレコムサービス協会が、とある行政機関から「今回の地震が人工地震だとの誤った情報の書き込みが掲示されているので削除してほしい」との削除要請を受けた旨報道されている。

 もしこれが「風評」というなら、「人工地震でない証拠」を添付の上要請すべきであろう。地震波形ひとつとっても、自然の地震であるとは説明できるはずがない。

 特に今回の大地震が人工地震であるという事実は、日本の支配者層の多くが知っており、ほとんどの者は「怒り」「不快感」を抱いているに違いない訳で、あからさまに削除はできないのである(事実「テレコムサービス協会」は削除を拒否している)。

 いずれにしろ、このようになし崩し的に行政機関の恣意的な言論誘導を許すことは、ブレジンスキーのいう「GLOBAL GHETTOS・地球規模のゲットー(収容所)」に繋がる危険な兆候であり、簡単に容認できるものではない。

 次回に続く。
ーーーーーー

陰謀者たちの階層 - 300人委員会の歴史

確かに、私たちの多くは、政府を動かす人々が、国内外の政治・経済問題を本当にコントロールしているわけではないことを認識しています。そのため、私たちの多くは、オルタナティブ・プレスや、私と同じように、米国がこれほど深刻な病気になっている理由を調査し、しかし必ずしも発見できないでいるニュースレター執筆者たちに真実を求めるようになったのです。このグループは、「求めよ、さらば与えられん」という戒めを常に守ってきたわけではない。私たちが発見したのは、人々は一種の暗い霧の中を移動し、自分の国がどこへ行こうとしているのかを気にすることもなく、常に自分たちのために存在すると固く信じていることです。これは、最大多数の人々が操られた反応であり、その態度はまさに秘密政府の手中にあるのだ。


よく、「彼らは」あれやこれやとやっていることを耳にします。"彼ら "は文字通り、殺人罪から逃れることができるようです。「彼ら」は税金を上げ、私たちの息子や娘を国のためにならない戦争に送り込んで死なせているのです。「彼ら」は、私たちの手の届かないところにいるように見え、視界から消え、もどかしく、彼らに対して行動することが適切であるかどうかは漠然としています。誰も「彼ら」が誰であるかを明確に特定することができないようです。このような状況が何十年も続いているのです。本書の中で、この謎めいた「彼ら」を特定し、その状況を改善するのは人々であることを明らかにする。


1981年4月30日、私はローマクラブの存在を明らかにし、それが300人委員会の破壊的組織であることを指摘するモノグラフを書いた。 このサイトは、この二つの組織について米国で最初に言及したものである。私は、この記事が奇想天外なものであると読者に騙されないよう警告し、私の記事と、イルミナティの秘密計画がその手に落ちたときにバイエルン政府が発した警告とを並列に並べたのである。ローマクラブと300人委員会のアメリカでの役割については、後ほど詳しく説明します。


1981年に発表されたこの記事は、その後、無名のフェリペ・ゴンザレスがスペインの首相になり、フランスではミッテランが政権に復帰するなど、多くの予言が現実のものとなっている。ジスカール・デスタンとヘルムート・シュミットの失脚、スウェーデンの貴族で300人委員会メンバーのオロフ・パルメの政権復帰(その後謎の死を遂げた)、レーガン大統領の逆転劇、300人委員会が目指すポスト工業化ゼロ成長のもとでの鉄鋼、自動車、住宅産業の破壊。

 

2003年9月:ロスチャイルド家や300人委員会の話







COVID倫理のための医師 mRNAワクチンの毒性

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 <ロスチャイルド一族> 一両替商人が西ヨーロッパを席巻する大銀行になった話(ロスチャイルド王国 フレデリック・モートン著 新潮選書)は興味深かったのでその一部を紹介する。1764年フランクフルトのユダヤ人街の一角にマイヤー・アムシェルという男が住み着いた。彼はユダヤ民族一般と同じく姓をもたなかったが、彼の先祖が嘗て近くの赤い楯(ドイツ語でロートシルト)の付いた家に住んでいたので、旧友たちは“ロートシルト”と呼んでくれた。彼は古物商から始め、古銭の売買をして要領よくヴィルヘルム公のハナウ宮廷に仕えるハノーヴァーのフォン・エストルフ将軍の気に入られ、両替商を開店した。

 1769年彼は“シチュー鍋”の目印の家に、ヘッセン・ハナウ家の紋章が付き、「M.A.Rothschild(ロートシルト) ハナウ公ヴィルヘルム殿下宮廷御用商人に任ず」と記された看板を打ちつけた。このように世間的な名誉を得て彼はグテーレと結婚する。彼は公の財務官カルル・ビュデルスの気に入られて国家の金融業務にも割り込むことになって、“緑の楯”の付いた広い家に居を移し、12人(内10人が成長した)の子を育てた。夜になるとマイヤーとグテーレはユダヤ教の一節をヘブライ語でそらんじ、家族はみんなじっと座ってそれに耳を傾けた。中庭の向こうには小さな会計事務所があり、秘密の地下室もあってマイヤーは足しげくそこへ通った。ヘッセン・カッセル伯ヴィルヘルム公関係の秘密書類も収納されていた。この一家が殿下の存命中に殿下の莫大な富以上に蓄財しようとは誰も想像だにしなかった。
 マイヤーには5人の男の子がいた。彼らは皆働き者で、性格は異なるものの腰の低い謙譲さと物音一つ立てぬ静かな行動を父から引き継いだ。長男アムシェルはドイツの金庫係りになった。次男サロモンはオーストリア帝国の首都ウイーンで高い身分を確立し、3男ネイサンは英国で無比の力の所有者となった。4男カールはイタリア半島を手中にし、5男ヤコブは共和制、帝制を通じてフランスに君臨した。ロスチャイルド家では才能は個人のものだが、業績はみんなのものであり、兄弟は骨の髄から成功を望んでムズムズしていたが、マイヤーは兄弟に欠けている優美さを補った。息子たちの強引な計画に父親が知恵を貸した。
 この“緑の楯”の一隊はあらゆる方向に向かって扇形にひろがっていった。どの馬車にも貪欲な目つきの丸顔の若い兄弟が鞄を抱えて席を占めていた。一族のエネルギとドイツ語のおかしなアクセント、それにいつでも同時にどこにでもいるという特性が決定的だった。親父と5人の息子は距離としきたりと制約と国境を問題とせぬ超自然の力となった。一族は国際的なネットワークを築いた。
 まず一家の前に立ちはだかったのはナポレオンであった。彼の軍隊は一家の築きかけた基盤を一掃するかに見えた。しかしロスチャイルド家専用の馬車が暗号で書かれた手紙を運び、ヨーロッパ中をかけめぐる兄弟たちの所在は突き止められず、ヴィルヘルム伯の債権を奪取せんとするナポレオンの動きは空振りに終わった。ロンドンに移った3男ネイサンはナポレオンの手の及ばぬ英国公債で大儲けをした。また5男ジェイムスをはじめ兄弟は国際的な手形の大交換所を設立し、兄弟は連携して金の大密輸を成功させ、ナポレオンに抵抗する連合軍の戦費の英国からの送金を可能にした。最後にワーテルローの戦いでの敗戦のニュースを一族専用の情報網で逸早く手に入れたネイサンはロンドンの証券取引所で英国のコンソル公債をそ知らぬ顔で投売りし、相場が十分に下落し一瞬後れれば遅きに失するその瞬間に二束三文で大量買いした。大ニュースが一般に漏れるや、コンソル公債は一転大暴騰を演じた。

 死を迎えた老マイヤーはユダヤ教会で祈りと断食の一日を過ごした後に次の趣旨の遺言を残した。「わが娘たち、婿たちはM.A.ロスチャイルド父子商会に参加したり調査する一切の権限はない。息子たちの事業への妨害は決して許さない。ここにロスチャイルドの名を他家の者に継がせない、ロスチャイルドの事務所は外部の参加を認めないという伝統が生まれた。
 ナポレオンが去った後のヨーロッパ再建のために公債が新たに発行されることになり、その最終的な配分のためにアーヘン会議が開かれた。会場は上流社会と新興ロスチャイルドとの対決の場となったが、会議に出た慣れぬサロモンとカルマン兄弟は見向きもされなかった。ところが突然フランス政府債をはじめとして他の公債も一斉に下落した。会議の優雅な音楽は止んだ。ロスチャイルド商会が莫大な資産をもって予め買い進めていたものをここで冷酷無残に大量の売りに出たのだ。会議を支配していた旧世界の勢力はロスチャイルドの威力を思い知らされた。予定していた公債発行は中止された。サロモンとカルマンは丁重に迎え入れられ、ヨーロッパ財界にロスチャイルド家の地位が確立された。
 会議後オーストリア帝国の実力者メッテルニヒ公はロスチャイルド家から90万グルデンの融資をあおぎ、5人兄弟およびその子孫は男女を問わず男爵の爵位に叙せられた。既に申請されたものの一時は系譜紋章院によって大部分が遠慮なく切り捨てられていたロスチャイルド家の豪華な紋章のデザインが復活・公認された。黒鷲とヒョウと獅子と5本の矢をもつ腕である。
 5人の兄弟はいずれも少なからぬ逸話を残したが詳細は省略する。サロモンが複雑な取引を通じてオーストリアの巨大な水銀鉱山の借用権を獲得するとロンドンのネイサンはスペイン政府と交渉して残るスペインの鉱床を買い取り、水銀の世界的独占を手に入れ、その価額を自由に操作することになった。鉄道はネイサンの英国で生まれたが、オーストリアのサロモンとフランスのジェイムスが導入に尽力した。ネイサンの長男ライオネルはネイサンの死後英国政府に資金を提供してスエズ運河を買収した。ライオネルはユダヤ教徒として上院議員になるための法改正を11回提出し、遂に英国会にそれを認めさせた。英国女王はライオネルの息子ナサニエルの代になって爵位を授けた。

 ナッテイ(ナサニエル)は世界中のユダヤ人の面倒を見てきた。ユダヤ人迫害・虐殺があるとロスチャイルドの事務所から圧制者に対して激しい攻撃が加えられ、犠牲者への援助が行なわれた。彼に限らず財務に抜け目がない一族だが、ユダヤ人が迫害を受けたとなると損得抜きで介入し、冷静さをかなぐりすてる民族的な熱情を見せる。一族の政策にははっきりとした特徴があった。戦争嫌いで平和の維持に熱心だった。また列強の間には植民地拡張をめぐる競いがあったが、植民地から足を洗え、しかもそれは早ければ早いほどよいと主張した。
 五つのロスチャイルド家の内二つは既に姿を消している。長男アムシェルには子供がなく、ドイツ・フランクフルトのロスチャイルド家はナポリのヴィルヘルムとマイヤーが管理したが、両人とも娘しかいなかった(ヴィルヘルムは3人、マイヤーが7人!)のでその死とともに整理・清算した。イタリアのロスチャイルド家もカールの長男アドルフに子がなく、弟たちも上記の状態だったので閉鎖せざるを得なかった。この結果一族は英国、オーストリア、フランスに残り、それぞれの母国に忠誠を誓う集団となった。
 第一次大戦が勃発し、一族は各地で大きな資産と若者を軍への協力のために召し上げられた。戦後も税金攻勢とそれに対する無抵抗で一族の大邸宅の多くは無に帰した。その後特にオーストリアの事務所は国もろともヒットラーの率いるドイツ政府に徹底的に迫害された。しかし1945年以降ロスチャイルド家は再び活力を取り戻しつつある。先祖たちの猛烈な活動ぶりは見られないが、厖大な資産をたくみに運用して隠然たる勢力を保持しその支配力は依然として強大である。一族の影響の及ぶところは宗教をはじめ経済・政治・美術・音楽・建築・園芸等々奥深く容易に全容を覗き得ない。
 元来私は独善的なユダヤ教が嫌いである。ここでは興味をそそる逸話などの紹介で好意的とも誤解されるような“ロスチャイルド神話”の一端に触れたが、この一族の過去の業績また今後の影響力は我々日本人とその文明に対して決してためにならない筈だ。今調査中だが、米国を始めとして世界を牛じようとしている“300人委員会”というあまり世に知られていない組織があるらしく、ロスチャイルド家はこの組織の代理人として密かに自ら莫大な利益をあげながら、謀略に満ちた当委員会の目的達成に今後とも尽くそうとしているようだ。 “ヴェニスの商人”でシェイクスピアが糾弾しようとしたユダヤ商人の悪辣さ・狡猾さを存分に発揮してだ。今後とも注意をそらすわけにはいかない。


<ハリガネムシ> 毎年夏に文芸春秋に発表される芥川賞受賞作をこの数年読んだことがなかったが、いつも今年も見るべき作品がなかったと切り捨てている石原慎太郎が今年は珍しいことに“選評”で「自暴自棄の底にあるもの」という小題で当選作を激賞こそしていないが肯定的に評しているので、読んでみる気になった。作者吉村萬壱は40を越した教師で、主人公は同様な独身の高校教師だが一度相手にしたソープの女につきまとわれて、避けるわけでもなく止めどもなく堕落していく話である。
 しまいには二人して暴力団まがいの若者たちにからまれて、半死半生の体たらくになって昼も夜も分からぬ数日を過ごしたりする。やがて久々に出勤して国連についての授業中に突然感情が高ぶり、「国連なんかに虐殺行為を根絶する意思はないんや!」と叫び、生徒たちが皆唇を舐め始めたので堪らなく怖くなり、「あとは自習」と言い置いて逃げ出す。
 自暴自棄のような気分になって再び学校を休む。どうせ仕事もだめになる。親にも弟にも見捨てられるだろう。何より私は自分の欲望に飽きていた。体の中のハリガネムシが暴れるたびに死にたくなる。こんな生はいらなかった・・・。
 こういう心情というのは誰にも一生に一度ぐらいはあるのだろう。程度の差があり、大抵はここまで行かないが。同じ文春9月号の前の方に同じく数年前に芥川賞を受賞した玄侑宗久氏が「12歳の殺人者・A少年に五百年の暗闇を」で次のように書いている。-どんな事件でも、一歩間違えば自分もしていたかもしれない。そう思うことが出発点だろう。同じような遺伝子をもって生まれたという意味で、すべての人間は平等である。-また書いている。―残虐であるのは大人も小人も変わらない。昔からそうだ。親鸞聖人は弟子唯円に「千人殺せ」と言われたらお前は殺せるか。唯円は「できません」と答えるが、お前ができないのは単にそういう“縁”がないからに過ぎないと、悲痛に親鸞は説くのだ。-
 近頃よく夢を見る。夢の中では思うように事態が進行せず、かといって人任せにできず自分が何とかしなければ解決しない課題が残る。ウーム困ったぞと思う。だが夢から醒め、問題が夢の中の課題であることを悟った瞬間に、あさましくもほっとして課題を放棄する。先の小説を読み終えた感想もそれに似ている。これが夢ならいいのだが。
 考えてみれば多くの人は長い人生の中で一度ぐらいは罪を犯すかどうか際どいところまで行き、あるいは堕落の瀬戸際まで行くが、何とかそこで踏みとどまる。そこで働くのは“縁”かもしれない。だがハリガネムシかもしれない。万一そこで踏み外してしまったら、大人でも子供でもそれはそれなりに覚悟を決めなければいけない。許される限度というのは厳然とあるのだ。少年法などという悪法は掃いて捨ててしまえ。昔のご先祖が考え出した“地獄”という世界をバカにしてはいけない。

<地震> 1月ほど前に東北地方はかなり大きな地震に襲われた。余震が1週間以上にわたってシツコク続いた。過疎地に近い田舎が震源地域だったから被害は震度の割にはそれほど大きくなかったが、これが都会だったら大騒ぎになったに違いない。あの地方でさえ停電・断水の不都合が長時間に及んだ。公民館などに長く避難してノイローゼ気味になった人も少なくないと伝えられた。
 9月1日の防災の日には南関東直下型地震が起きたことを想定して首相以下内閣に訓練のための緊急対策室が設けられたほか、東海地震対策本部でも予知対策連絡会が招集されるなど全国で135万人が訓練に参加した。関東大震災は80年前に起こっていて、そろそろ次が起こる頃だと言われるとあまりいい気はしない。
 今住んでいる家を建てたのが35年ほど前で、木造総2階建てで当時は建築基準法が現在より緩かったから南側は開放的で筋交いも十分ではない。この頃耐震診断をするように勧めてくる業者がいくつもあるが、もし診断を頼めばまず補強改築をすべきだと言われるに違いないと思う。しかしいつどれほどの地震が来るか分からぬだけに、新築ではなく既に長年住んでいる家を強度付与のために改築するのはどうにも気が進まない。
 人生設計などというが、今月で自分は70歳を迎える。年月を加えるにつれて次第に足腰も不自由にはなるが、かといってもうすぐ寿命を迎えるという実感もない。もう暫くはもちそうだ。かといって他には必要もないのに大掛かりな改築をして、来るかも知れぬ地震に備えるというのも些か実効的に思われない。いい加減と言われればその通りだが、万事なるようになると思っている。大地震に見舞われて家の下敷きになればそれはそれで寿命と観念する。

<300人委員会その2> 今月冒頭のロスチャイルド家の説明で紹介したが、世には重要な割にあまり知られていない方面の話というのがいくつかあるようだ。表題の本(KKベストセラーズ発行)もその一つで、その著者は元英国情報将校ジョン・F・コールマン博士。ノンフィクションというジャンルの本ではあるが、最初に読んだ時は内容の深刻さと非常識とでどこまで真実なのか疑いたくなったというのが正直なところで、一旦脇に置いた。だが“国際テロ”でも取り上げている世界で連発する諸事件に思い当たる点が次第に増えてきたので敢えて紹介することにする。
 なお本書とは別筋で、インターネットで"http://sinobu10.hp.infoseek.co.jp/Devil_Kingrom1.html"には「悪魔王国の建設」と題してかなり詳細に“300人委員会”の構想が紹介されているので、興味のある方は参考にしてください。
 信じるかどうかを別にしてまず“300人委員会”が掲げる綱領21ヶ条を以下に記してみる。別名“悪魔の地球支配綱領”(世界人間牧場計画)である。

1)委員会指揮のもと、ワンワールド政府=新世界秩序を確立する。
2)すべての国民国家のアイデンテイテイ・民族性と民族的な誇りを完全に粉砕する。
3)世界の大宗教、特にキリスト教の壊滅を計画し、実行する。
4)マインドコントロールによって人間を管理・コントロールする手段を確立する。
5)脱工業化ゼロ成長政策に基づき、すべての工業化と核エネルギによる電力供給を廃止する。ただしコンピュータとサービス産業は免除する。
6)ドラッグの使用を奨励、最終的には合法化する。ポルノを芸術として公認・日常化する。
7)ポルポト政権(カンボジア)の実験を応用し、都市の人口を激減させる。
8)科学の発達は委員会が必要と認めるものを除き、一切抑制する。特に標的とするのは核エネルギの平和利用で、委員会手先の新聞(ニューヨークタイムス、ワシントン・ポスト、タイムスなど)は核融合技術を忌避する。
9)先進国には局地戦争を起こし、第3国には飢饉と疫病を広めて2050年までに30億人の“無駄飯くい”の人々を殺す。
10)ローマクラブが採用した脱工業化零成長政策により仕事が縮小した結果、厖大な失業者を発生させ道徳心を低下させ、労働者の生産意欲を失わせる。家族という共同体を根底から揺るがし破壊する。
11)意図的に危機的状況を次々に起こしそれを操作・管理して、委員会を除く全人類が自らの運命に対して無力感しかもち得ないようにする。
12)新たな“破壊的カルト”を増産し続け、すでに役目を果たしている連中(ビートルズやローリングストーンズなどの邪悪なロック・グループなど)を支援する。
13)キリスト教助成の宗教的義務と偽り、キリスト教根本主義の信仰を後押しして“ユダヤ選民思想”の神話を当然のこととして人々に受け入れさせ、シオニズム国家イスラエルに貢献する。
14)ムスリム同胞団、イスラム原理主義、シーク教などの宗教的・破壊的カルトグループを圧迫し、マインド・コントロールの実験をする。
15)信教の自由という思想を世界中に輸出し、既存の真摯な宗教、とりわけキリスト教の根底を揺るがす。
16)世界経済の全面的崩壊の原因を作り、政治の全面的な混乱を引き起こす。
17)米国の内外政策をコントロールする。
18)国連(UN)、国際通貨基金(IMF)、国際決済銀行(BIS)、国際司法裁判所のような超国家制度を強化する。
19)すべての政府中枢に侵入し、政府が代表する国家主権を内奥から破壊する。
20)世界的テロリスト・グループを組織し、テロ活動が起きた際テロリストと当事者の交渉に介入する。
21)米国および世界各国の教育をコントロールし、破壊する。これは“結果本位教育”という政策によって具現化される。

 バビロンの捕囚の中に“パリサイ派”という秘密結社ができたが、このタルムード派ユダヤ教の中からルシファー悪魔大王を崇拝する“カバラ学派”が出現し、トーラーとエホバを信仰する伝統的なユダヤ教を捨てた。この勢力はヴェネチア、オランダ経由で17,8世紀に大英帝国をそっくりまるごと取り込んだ。無神論的な思想を根底にもち、先に紹介したロスチャイルド家はこの一派である。18世紀に英国東インド会社の300人評議会を母胎にして全世界的に発展させた“300人委員会”が設立された。このあたりの事情は意図的な撹乱工作もあって、歴史的に縁遠かった日本人には特に理解しがたいものらしい (この委員会は無宗教と称しているが、私には終局的にユダヤ教を奉じているように見える)。
 300人委員会はその大部分が英王室、現在ならば女王エリザベス2世の支配下にある。メンバーには各国王室、サミュエル・ハンチントン教授、ジョン・メイナード・ケインズ、ジョージ・ブッシュ(現米大統領の父)、ヘンリー・キッシンジャー、ジョージ・シュルツ、エリー・ド・ロスチャイルド、サー・バートランド・ラッセル、H.G.ウエルズ、大来佐武郎 等の名が見える。300人委員会のメンバーが死亡した時空席はその子孫が埋めるのが通例である。300人委員会は150年の歴史をもち、最高のすぐれた知性(?)が結集して完璧な全体主義で絶対的に管理された社会を形成しようとしている。
 300人委員会を代表する世界規模の研究機関・団体として著名なものはローマクラブ、スタンフォード・リサーチ・センター(SRC)、王立国際問題研究所(RIIA)、CIA、連邦緊急管理庁(FEMA}、外交問題評議会(CFR)、タヴィストック人間関係研究所、ランド・コーポレイション、イスラエルの安全を目指すアメリカ人の会など。また企業としてブリテイッシュ・ペトロリアム(BP)、ロイヤル・ダッチ・シェル、ヴィッカーズ、アーサー・D・リトル社など、また多数の銀行。多くの組織はその名を知られていなかったりあるいは組織名と異なるその真の存在理由が巧妙に隠されている。そのほか300人委員会の名を伏せて活動する多数の下部組織、秘密結社がある。

 トーマス・ロバート・マルサスは天然資源には限りがあり、放置しておくと人口は幾何級数的に増えて資源を消耗し尽くすから、強制的にでも人口を抑制しなければならないと説いた。もう一人フリードリッヒ・アウグスト・フォン・ハイエクは米国経済の土台は都市黒人市場、小さな香港型労働搾取産業、旅行産業、ドラッグ売買が盛んな自由な事業域、すべての工業活動の終焉、すべての原子力プラントの閉鎖に基づかねばならないとする。300人委員会のすべての戦略はここから出発しているという。
 ブレジンスキーは常に大衆をコントロールする必要性を説き、その標的としての米国は古くからの秩序を破壊され、ワン・ワールド政府=新世界秩序へと導かれていく政策を次々と導入される国家にするという。サー・ピーター・ヴィッカース・ホールは米国には19世紀の重工業に立脚した社会と脱工業化社会という二つの側面があり、後者が前者を淘汰し破壊すると説き、工業大国アメリカは衰退すると予言した。
 20世紀初頭から300人委員会のシンクタンクは時に応じて世論形成工作を行なった。第2次大戦前にドイツと日本は叩き潰すべき危険極まりない敵だと見なすように米国民はコントロールされた。同様にタヴィストック研究所の“イラクは脅威であり、サダム・フセインはアメリカに挑む凶暴な敵である”との洗脳プロセスに民衆ははめられた。湾岸戦争直前の2週間に米国はおろか世界中にイラクとフセインに対する敵意が形成された。
 300人委員会の実体はメンバーしか知り得ないが、過去にその意思が具現化されたとするいくつかの粛清事件がある。第1次大戦時にドイツ政府閣僚でロスチャイルド財務官だったヴァルター・ラテナウは300人委員会の存在を公言した後で暗殺された。委員会の意向に逆らったジョン・F・ケネデイ大統領の暗殺、ウオーターゲート事件によるニクソン大統領の失脚、イタリア首相モロの暗殺、パキスタン大統領ウル・ハクの航空機事故死、朝鮮戦争中にトルーマン大統領によって突如解任されたダグラス・マッカーサー元帥はいずれも政局に大きな影響を与えた。
 FEMAは自作自演でスリーマイル島原発事故を起こし、マスコミを騒がせて人々が避難する集団ヒステリーを招くことで反核勢力を強めることに成功した。実は危険は何もなかったという。タヴィストック研究所はビートルズのロック音楽を介して若者たちのLSDなどのドラッグ需要を急増させた。ミャンマーではイギリス東インド会社(BEIC)の後を継いだ国家法秩序回復評議会(SLORC)によってアヘンーヘロイン貿易の権益が独占されている。

 綱領はいずれも許し難い内容を具えているが、特に2)はひどい。人間の楽しみ、生きがいを奪ってしまう。毎日米大リーグの野球中継を流す視聴者白痴化は4)かと勘ぐりたくなる。世界的な原発の廃止は5)と8)によると思い当たる。フリーターの増加は10)に関係する。先月米国で発生した大規模な停電、東京で飛込み自殺による電車の運行停止の頻発なども11)と関係があるのか。そして世界的なテロの頻発はまさに20)であって、綱領は決して夢まぼろしではないと思い知ったときに慄然とする。
 本書には直接触れられていないが米国大統領が現在も委員会の意向に逆らえないのは明白で、米英両国がイラク開戦に踏み切ったのについては委員会の影がある。こうしてみると紳士面をしている英国は嘗てアヘンを売りつけて中国を手ひどくいためつけ、インドを徹底的に搾取した昔から、ズル賢く裏に回っている現在まで極悪の国であり、虫も殺さない顔をしている英女王はその悪の代表、張本人に他ならない。グローバリゼーションなどという風潮はまさしく委員会の政策そのものであるし、教育の混乱も彼らの差し金かもしれない。日本もよほどしっかりしないと悪魔の手にからめとられてしまう。
 コールマン博士は説く。たまたま結びついたに過ぎず一見したところ何ら関係なさそうなできごとが裏では密接につながっている。それが大衆の目には用心深く覆い隠されているだけなのだ。陰謀者の正体を暴露せよ。それには一度失われたら二度と再生することのない我々のかけがいのない伝統や文化、これを守る戦略を立てられる経験に長けた人材を必要とする。陰謀者の方法論を学び、必要な対抗手段を取る必要がある。急を要するが、こうした対抗策だけが国家を蝕む腐敗を食い止める手段なのだ。地球規模の陰謀を認めたがらぬ人がいる。結果的にこれは彼らの協力者になる。敵の姿を知ること。これは何より必要だ。見えない敵と戦って勝つことなど不可能ではないか。我々の敵の実体を研究し、すべての名前を暗記するのだ。プロファイリングの技術を身につけよと。


<プロジェクト開発記録> N.H.K.の“プロジェクトX”は私の気に入っている番組の一つだが、まだこの番組が取り上げていない特大のプロジェクト記録として、最近読んだ「新幹線開発物語」(角本良平・中公文庫)を紹介する。プロジェクトは既に40年前に完成され、その成果は日本人なら誰一人知らぬものはないのだが、仔細に読んでみると前例のない高速複線鉄道を新技術を開発しながらほぼ5年でまとめあげるという難事業をやってのけた日本人先輩たちの能力と執念に改めて感心しまた敬意を表する。但し著者が成功した事業として挙げるのはあくまで“東海道新幹線”であって、後に建設された山陽・東北・上越・長野・山形・秋田については主に採算性の視点から疑問視している。
 著者は書いている。今から考えれば当然とも思われる新幹線だが、開通までにはいくつもの山を越えなければならなかった。決して順風の中の成功物語ではない。19世紀に汽車・汽船が発達したのを第1次交通革命と呼ぶのなら20世紀半ばの第2次交通革命は自動車と航空機によっていて、鉄道は消滅はしないものの次第に縮小すると考えられていた。このような世界の趨勢の中でも東海道だけは例外であって、四面に反対を受けたスタートだったが事業の進展とともに鉄道需要の増大が明らかになっていった。

 1)鉄道の方式:新線建設方針決定の後も狭軌、広軌、あるいはモノレールの選定は議論が沸騰した。幹線調査会での検討によってモノレールは高速化の実績の無さと分岐器で捨てられ、輸送力増大・高速化のために広軌別線が選ばれた。広軌の“こ”の字でも言えば馘にすると威圧した狭軌論者の鉄道次官がいたというが、初代鉄道院総裁後藤新平の意思を継いだ十河信二国鉄総裁が強く広軌を主張した。昨年8月の<鉄道旅行>でインドでは鉄道の軌間が4種になっていて運営に困っているという話を載せたが、そういうことも当然議論されただろう。だがここで狭軌を選んでいたら画期的な発展は望めない分岐路であり大きな決断だった。
 2)時速200キロ:当時の最速は電気機関車牽引の特急“つばめ”・“はと”で最高95キロ、平均74キロ、東京―大阪間7時間半だった。東京―大阪間日帰りのために片道3時間、時速200キロが基本目標として設定され、この実現のために空気抵抗を考慮して車体を張殻構造とし、トンネル内すれ違い実験も行なわれ、車両の機密対策が採られた。時速250キロを前提として本線の最小曲率2500メートル、軌道傾斜14/1000、レール高低差20センチが定められた。脱線を招く蛇行動防止のための軌道の狂い限度を調査し、保守基準を定めた。在来より縦剛性を30%増したレール断面形状とPCまくら木、両者を締結する円形バネ付きボルトを定めた。レールの締め付けによって伸縮を抑えた1.5kmのロング・レールと絶縁継ぎ目つき伸縮継目器を開発・採用した。空気ばね付台車とこれをテストする台車試験機を開発した。これらの総合的な成果として横浜近郊―鴨宮のモデル線で37年10月目標速度が実現した。野次馬根性の強い私もこの直後に機械学会主催の試乗会でこれを実体験した。その後モデル線での最高時速は256キロに達した。
 3)動力の伝達:高速運転に必要な大電力供給のために従来の1.5 kV直流饋電に代えて25 kV単相交流饋電とし、パンタグラフで車内に取り込んでから変圧器で2400V以下に降圧し、主幹制御器の切換装置で2400Vから350Vまで変化させて直流直巻電動機を駆動する。架線懸架は離線防止のためにパンタグラフを押し下げる力が各点で均一になるような合成コンパウンド架線方式を新たに開発・採用した。パンタグラフの風洞試験を行い、速度に対する押し上げ力の小さい形状を選んだ。車輪からレールを介して変電所へ戻る電流によって沿線に誘導障害を招くのを防ぐために、架線に平行して負の饋電線を設け大地を流れる電流を1.5kmごとに吸上げ変圧器で吸上げることにした。日本列島は富士川を境にして50HZと60HZに分かれているが、統一のために東は小田原、横浜2ヶ所の変電所で60HZに変換・給電することにした。
 4)安全対策:踏切事故を避けるために踏切を全廃した。ブレーキは電気ブレーキ(発電ブレーキ)と空気ブレーキ(デイスク・ブレーキ)の併用とし、高速時は電気ブレーキが有効である。運転保安方式としては地上信号を廃し、列車の速度を所定の範囲に自動的に抑制するA.T.C.(自動列車制御装置)を採用した。速度指令は0,30,70,110,160,210,260の6段階で与えられ、数字は上限値である。従来の人間主体・機械補助の思想に替えて機械主体で運用する。中間駅の待避線への分岐器を中央指令室で一括して扱うC.T.C.(列車集中制御装置)が併せて採用された。列車妨害対策としては置石などを防ぐために厳重な防護柵を設け、車両の前頭には強力な排障器を取り付けた。その他新規開発要素全般に新しい保守方法を考案した。特に軌道全体の整備・小さな狂いの発見は重要であり、時速200キロの高速軌道検測車でこれを実現した。
 5)ルートの決定と買収:戦前の弾丸列車計画や戦後の経緯でルートの18%が買収済みだったのは有利だった。新丹那トンネル・日本坂トンネルは確保済みだった。高速化のために在来線より直線的なルートを選ばねばならず、用地買収のために東海道に分布する高密度の集落を避けるように努めたが、停車駅のためには市街地を通過しなければならず、大都市周辺のルート選定は苦労した。最後が東京と大阪ターミナルで決定までに紆余曲折を経た。次は用地の買収で、各地で説明会を開いたが、市街地は難航を極めた。用地交渉の相手方は5万人に上り、昭和34年から5年を要した。沿線104の市町村の大部分に委員会が設置され集団交渉方式が取られた。用地関係者は人間の善意を信じて忍耐強く努力を続けた。彼らの苦労話をまとめれば厚い一冊の本になるだろう。最後は土地収用法の特別措置法が成立したのでそれによらざるを得なかったとされている。
 6)工事技術:新丹那など長大なトンネル工事は新たに開発された“底設導坑先進式半断面工法”によった。橋梁には複線ワーレントラス橋を標準設計として用いた。新幹線全長515キロの内、トンネル68キロ、高架橋115キロその他橋梁計240キロを除くと残りの275キロが盛り土もしくは切取りである。詳細は省くが地盤沈下対策には相当の意を注ぎ、周到な築堤工事を行なった。沈下が大きいと予測される箇所は高架橋として岩盤に届く長さの基礎杭を必要数打ち込んだ。
 7)資金調達:昭和34年から39年までの6年間に4000億円の巨費が投入されたが、その資金調達を国鉄財政で賄うのは全く無理で当初からの大問題であった。財政融資と鉄道債券案があったが、金額が大きすぎた。外国資金として世銀が候補に上ったが、欧米では鉄道は斜陽産業と見られていて、工事発足時点では望み薄と見られていた。粘り強い説得の結果、東海道線が世界一人口密度の高い地域を走っていて如何に輸送の需給がアンバランスであるか、高速道路ができてもなお鉄道が必要なことが認められ、昭和35年世銀から正式の調査団が来日した。ここで日本の鉄道技術の優秀さが国際的に高く評価されることとなり、借入が了解され36年正式調印された。金額8000万ドル、年利率5.75%、3年半据置、20年償還の条件だった。国鉄の希望は2億ドルだったが、先例がなく蹴られた。その後当初予算1725億円は大幅に超過することになった。用地費の高騰ならびに賃金・資材の上昇のためである。運輸大臣は国鉄監査委員会に監査を命じた。世間の非難もあったが、昭和37,38年に巨額の政府予算が立てられて何とか収支の目途がついた。
 8)その後:東京―大阪間4時間で開業(1964)、その後3時間10分が続き、現在は2時間半になった。輸送量は当初の年間100億人キロが1975年350億人キロまで増え、一旦300億人キロに減ったが最近は400億人キロを前後している。1990年台に“のぞみ”が登場し最高時速は当初計画250キロを上回って270キロ、その後に建設された山陽新幹線は曲線半径を4000メートルとしたので時速300キロを実現した。新幹線には貨物輸送も検討されたけれど、実現しなかった。鉄道貨物輸送量は最盛時1970年の1/3に落ちていて、新幹線が貨物を運ぶ可能性はなくなった。現在新たにかなりの年月をかけ、東京―大阪間1時間を目標とする磁気浮上・リニアモータ推進の中央新幹線開発が検討されているが、著者は需要・採算性・安全面の三点から疑問を呈している。
 9)私の感想:東海道新幹線に関するかぎり需要の急増とそれに応える新技術の開発がうまく噛み合って世界に誇ることができる安全・確実な成果となって結実した。だがその後陸続として後追いした各地の新幹線建設は2番煎じに過ぎないし、本四架橋などに代表される道路建設も含めて採算面で後世に負担を残した意味でプロジェクトとして決して成功とは言えない。大型プロジェクトが成功する要件は厳しいし、こういうものに安易に賛成する大衆は否応なくそのツケを負う責任が生ずる。事後に総合的に成功したプロジェクトと評されるのは10に1しかないように思う。東海道新幹線はその典型と誇ってよい。一方で台湾・中国に新幹線技術導入の動きがあり、この項で概観したようなノーハウは貴重な文化遺産として利用できる。日本は外国に尊敬される好材料を育てた。

<阪神タイガース> 18年ぶり4度目の優勝となれば人々が喜ぶのも尤もだ。優勝を目前にして名古屋・広島で5連敗したのは地元甲子園のファンの前で星野監督胴上げをするための企みではなかったかと勘ぐりたくなった。9月15日は月曜日だったが休日で大阪へ戻っての第1戦は2時に開始のところ、大勢の観衆が朝早くから押しかけたので甲子園球場は異例の8時開門となった。試合はまた伊良部が打ち込まれて広島に先制されたが、大声援に後押しされて逆転、サヨナラ勝ちとなった。
 これでマジックは1。2位のヤクルトはナイターで結果が出るのに3時間かかったが、球場の観衆は帰らない。やがて首尾よく横浜がヤクルトを負かした報せが伝わると、改めて風船が乱舞し、監督胴上げが始まった。一方、御堂筋は6車線の道路が人波で埋まり、道頓堀川は事前にマスコミがしつこいぐらいに川の水の汚れがひどいからと禁止を呼びかけていたが、そんなことはお構いなしで鈴なりの橋から200人以上が飛び込んだ(当日のテレビ朝日・ニュースセンター報道による)。河端には梯子が下ろされ、念のために救命艇が待機していた。ー真面目なN.H.K.のニュースはこの飛び込みの報道を避けたが、後日の調査によれば飛び込んだ人数は5300人に及んだ。17日には酔っ払い溺死のおまけがついたー 球場も街も勝利に酔う人々の笑顔に溢れ、何と暇のある人が多いことかと些か感心した。しかし見ていて決して悪い気はしない。
 今年の阪神の強さに弾き飛ばされた感じの巨人はこのところ8連敗、現在貯金0の5位に落ちてしまった。今年の阪神は特に中盤以後ロードには弱くハラハラさせられたが、地元甲子園に帰ると神がかり的な強さを発揮した。ひとえにたまりにたまった阪神ファンのフラストレーションが熱狂的な応援になって後押しし、相手チームを威圧した。その迫力はテレビ放映でも十分に伝わってきた。今、優勝決定翌日の甲子園中継を見ている。あの優勝祝いの乱痴気騒ぎの後だけにアッサリ負けると思いきや、井川投手の快投で2時間10分の対広島最短時間勝利だ。観衆は相変わらず帰らずに六甲おろしを熱唱している。まだ日本シリーズには少し日時がある。勝負の帰趨はやはり相手チーム(多分ダイエーだろう)のホーム球場でどこまで頑張れるかにかかるだろうが、結局あの応援の強さで阪神が勝つだろう。

<政策の継続性> 自民党総裁選が実施され、以前に取沙汰されていた自民党内のいわゆる“抵抗勢力”の結集による小泉おろしは実現せず、亀井静香、藤井孝男、高村正彦の3候補を抑え、構造改革の持続を唱えて第1回投票で過半数を獲得した小泉純一郎首相が新たに3年任期の自民党総裁に選ばれた。最大派閥の橋本派は参議院を率いる青木氏の造反で分裂、堀内総務会長は小泉支持にまわった。近く行なわれるだろう総選挙と衰えない国民の小泉人気を意識せざるを得なかった結果だろう。野中前幹事長は孤立に追い込まれ、抵抗声明の中で自分の引退を予告せざるを得なくなった。
 選挙後の人事で応援してくれた青木・森両幹部の強い意向を容れて山崎幹事長を副総裁に移し、当選三回と若い安倍晋三氏を新幹事長に起用した。内閣副官房長官から副幹事長への配転がささやかれていたが、小泉新総裁の大胆な人事で与党内の口うるさい向きも意表を突かれ、岸元首相から三代続く毛並みのよさと北朝鮮の拉致問題への対応で得た国民的人気もあって表立った反対論は出ず好評だった。実は小泉内閣になってからは後述の如く各派閥の意向をふまえて大臣などの選任を調整する幹事長の役割は消滅している。残る党三役として額賀政調会長の新任、堀内総務会長の留任を決め、可能な範囲で自民党内既成勢力との調和を図った。
 新内閣では福田官房長官、川口外相、竹中金融経済財政相、坂口厚相、亀井農林相、石破防衛長官を留任、石原氏を国土交通相、谷垣氏を財務相に横すべりさせた。今回居残った人、退任した人を見渡すとそこには明確な小泉首相の評価と意思が感じられる。断固として構造改革を押し進めると言い続けた竹中氏については政治を知らぬ学者風情がと退陣を求める声が優勢だったにも関らず押し切った。坂口厚相は医薬品販売の自由化では抵抗もしたが、彼(専門家)なりに言い分に筋が通っていたと小泉元厚相も認めたのだろう。既得権限のない行政改革担当相として予言どおりサンドバッグのように叩かれる目にあった石原氏は藤井道路公団総裁をかばい続けた扇千景国土交通相の後を継いだ。文春10月号の小泉首相と道路公団民営化推進委員会の猪瀬直樹氏との対談を読めば、今後の進展は誰にでも推測がつく。

 組閣本部への呼び込みの後で各新大臣が順次記者会見の席に現れたが、総じて皆さん神妙で大半の人が総理に個別に指示された事項を報告し、それを守っていく方針を表明していた。在来は党内の派閥の長に大臣候補の人選を依頼し、ポストについてもそういうボスとの相談づくで決めていたから、任命された大臣に対して総理の方から特段の指示・要求はなくて、それぞれ所轄の事務局のご進講を受けて来いというのが実態だったのではないか。それでは首相の政治をリードする腕など発揮できるはずがなく、誰がやっても同じになってしまう。今回小泉首相は自民党を変えると宣言した通り人事に派閥の意向・年功序列の幣を除くことに成功した。大臣たちは以前と異なり実質的に首相に選ばれたのだから、その指示に従わないわけにはいかない。
 政策というものは状況を把握して立案し、多くの関係者に周知徹底して実施するのに相当の日時が必要になる。半年や1年で首相が代わってしまっては独自の政策など実行できるわけがない。最近の歴代の内閣の寿命を眺めれば軒並み短命なことが分かる。その上同じ首相でもほどほどの時期に内閣改造を求められる。派閥に選ばれた新大臣に前任者の意思を継ぐ気はない。クルクル変わる大臣に関係なく官僚たちが自分らに好都合な政策を立案・実行してきた。この面でも小泉首相は自民党総裁に再選されたことでようやく政治を変えつつあると感じた。事実彼は新内閣の発足にあたって「今まで育ててきた構造改革の芽がようやく出てきた。これを大樹に育てていかなければならない。今まで国民は困難な状況によく耐えてくれた。ようやく明るいキザシも見えてきた。今までの方針を堅持していきたい。」と述べている。
 小泉首相が逆境の中で構造改革の実施という明確な政策を掲げたこと、それを実現するために自民党を変える:変わらなければ自民党を潰すとまで言ってそれを達成したこと、及び政策の実現のために微動だにしないという一貫した姿勢を保持できる環境を創りあげた事は歴代の総理にもできなかった政治的な力量と評価したい。新内閣への評価はまちまちのようだ。江藤・亀井派からは3人入閣しあれだけ悪態をついていた江藤隆美氏はニコニコ顔に、新幹事長人事をほめちぎった森前首相は憮然たる顔に変わった。皆ウスウス気が付いているのは自民党の派閥中心の運営は変わったということだ。どういうつもりで亀井氏を応援したのか知らないが、石原慎太郎はご満悦のようだった。

http://member.nifty.ne.jp/t-kanazawa/essay58.html


■三百人委員会 ついに暴かれた秘密世界政府の“極悪”正体! ジョン・コールマン博士の研究成果を元FBI長官が確認








陰謀家たちの超権力構造

三百人委員会
ついに暴かれた秘密世界政府の“極悪”正体!
ジョン・コールマン博士 著
歴史修正学会 訳

著者序文
 私が情報将校の専門職に就いている期間、高度の機密文書に接触す
る機会が多かったが、西アフリカのアンゴラで政治科学現場担当官と
して外勤中に、異様なまでにあからさまな内容の超極秘文書を閲覧す
る機会があった。それを見た私は怒りがこみ上げ嫌悪感をもよおした
。以来、私は英国とアメリカの政府を動かしているのはどういう勢力
なのかを一貫して追究することになった。
 王立国際問題研究所(RIIA)、外交問題評議会(CFR)、
ビルターバーガーズ、三極委員会、シオニスト、フリーメーソン、
ボルシェヴィズム、薔薇十字会などといった秘密結社およびこれらの
結社が支配する下部組織についてはすべて、私には完全におなじみで
あった。情報将校として、またそうなる前にロンドンの大英博物館で
研修した若き学徒として、それらすべてに私は最初の情報経験を積ん
だが、さらにアメリカ人がよく知っていると考えられるおびただしい
秘密結社名を加えることになった。
 しかし、一九六九年に私がアメリカ合衆国に来てみると、エルサレ
ムの聖ヨハネ団、ローマクラブ、ドイツ・マーシャル財団、チニ財団
、円卓会議、フェビアン協会、ベニスの黒い貴族、モンペルラン協会
、地獄の業火クラブ、その他多くの秘密結社が完全には知られていな
いか、どうひいき目に見ても、ほんとうの機能はほとんど知られてい
ないに等しいことがわかった。
 一九六九年から七一年にかけて、私は専門的な論文やカセットテー
プを次々に発表し、状況の改善に取りかかった。おおいに私を驚かせ
たのは、多くの人びとが、あたかも物書きとしてはじめから知ってい
たかのようにどしどしこれらの秘密結社名を引用しながら、秘密結社
についてまったくわかっておらず、最近になって仕入れた情報の出所
について明かすのはいやがることであった。
人まねはもっとも心のこもったお世辞なのだろうと思って、私は自ら
を慰めることにした。
 極度の危険・私と妻に加えられる攻撃・経済的損失・ひっきりなし
の嫌がらせ・恐喝と中傷に直面しながらも私はどんどん調査を続けた
。すべては私の信用の失墜を目的として、いわゆるキリスト教右翼、
「アイデンティティー運動」、右翼「愛国者」グループに埋めこまれ
た政府機関員とたれこみ屋たちが操って慎重に組み立て画策した計画
の一部だったのだ。
 大胆強烈に誰はばかることなく反ユダヤ主義を声高に装ってこれら
の機関員たちは工作したし、いまもなお工作している。ユダヤ主義が
彼らの主要な敵だと、われわれを信用させたいのだ。これらの機関員
―たれこみ屋たちは、合衆国のいたるところにいる政治的・宗教的保
守派におおいに気に入られ尊敬を受けている同性愛者のグループに操
られている。
 私の仕事に対する中傷・虚偽と憎悪・逆情報といった彼らの作戦は
、いまだに他の著作者たちが企んだものだと偽りながら、引き続き衰
えもせず行われているが、彼らが望むような効果はあがっていない。
英国や合衆国を操る上位平行秘密政府全体の仮面を最終的に引きはが
すまで、私はこの仕事を続けるだろう。
 本書はなお継続している努力の一部分である。
一九九一年十一月
ジョン・コールマン博士


目的と手段
彼らは堂々と歩いている
 きっとわれわれのかなり大多数は、政府を動かしているのは、国内
であれ外交であれ政治・経済の諸問題を実際に担当している人ではな
いということに気づいている。そのため多くの人びとは、あれこれの
新聞に真実が語られてはいないかと探し求めてきたし、私のような新
聞寄稿家も求めてきた。
 が、合衆国を末期的症状に至らしめたものの正体が必ずしも明らか
にはされなかった。「求めよ、さらば与えられん」は、この連中に当
てはまるとはかぎらない。われわれが発見したことは、人びとはとて
つもない闇のなかを歩かされ、わが国がどこに向かっているのか気に
もせずわざわざ考えもせずに、合衆
国は常に自分たちのためにあると堅く信じているということである。
 これが国民の最大多数が置かれている現状であり、われわれは秘密
の政府の掌中で操られているのである。
 われわれはしばしば、こういうことをやっている「彼ら」のことを
耳にする。「彼ら」は文字どおり殺しを委員会という破壊活動組織と
同一であることを暴露する論文を発表した。この論文は合衆国におけ
るこの二つの組織に最初に言及したものであった。「私の論文が牽強
付会だと感じて正しい判断を狂わせてはならない」と私は読者に警告
した。それで私の論文と、イルミナティの秘密計画を入手したときう
まくやってのけるように見える。「彼ら」は増税し、われわれの息子
や娘たちをわが国の利益にならない戦場に送って殺す。
「彼ら」は、われわれの手の届かない場所や視野の外にあり、「彼ら
」に対して何かしようとしても正体がつかめずにイライラする。誰も
はっきりとこれが「彼ら」だと断定できないように見える。これが何
十年ものあいだ付きまとっている状態だ。本書ではこの謎の「彼ら」
の正体を暴くつもりである。しかるのちに状況を改善するのは、国民
の行動いかんにかかっている。
 一九八一年四月三十日、私はローマクラブが三百人にバヴァリア政
府が発した警告との類似点をあげておいた。合衆国におけるローマク
ラブと三百人委員会の役割については、本書のあとの章でふたたび述
べることにする。
 一九八一年の論文で予見したことの多くが現実のこととなった。
無名のフェリペ・ゴンザレスはスペインの首相となり、ミッテランは
フランスでふたたび権力を握り、ジスカール・デスタンとヘルムート
・シュミットは失脚し、スウェーデンの貴族で三百人委員会のメンバ
ーであるオラフ・パルメが復権し、レーガンの大統領としての権威は
ゼロにさせられ、三百人委員会の下した脱工業化ゼロ成長という命令
によってわが国の鉄鋼・自動車・住宅産業は破壊された。
 パルメが果たした重要な役割は、ローマクラブが彼を利用して合衆
国関税の対ソ禁輸品目の技術提供をソ連向けに行なったことにある。
また、パルメの世界的通信ネットワークによってニセのイラン人質危
機にスポットライトを浴びさせた。このときパルメは、ワシントンと
テヘランのあいだを往復しては合衆国の主権保全を侵蝕し、三百人委
員会の領分すなわちオランダのハーグの国際司法裁判所にニセの危機
を提訴しようと努めた。
 戦争と疾病と大量殺人がなされたのちに、地上に残った人類の大多
数の奴隷化までも含む神と人間に対する公然たる陰謀は隠し切れるも
のではない。諜報活動の世界では、何かを隠す最上の方法は見えると
ころに堂々と置いておくことだと教えられる。
 ずっと以前の例でいえば、ドイツは一九三八年にメッサーシュミッ
ト戦闘機の秘密を隠すため、パリ航空ショーに堂々と出展した。諜報
機関員やスパイがうつろな木の幹のなかやレンガ積みの壁の背後に手
がかりを探しまわっているのに、彼らが探し求めていた情報はすぐ目
の前にあったのである。
 上位平行秘密政府は、じめじめとした秘密地下室から指令を発して
操作するわけではない。それはホワイトハウスや米国議会、ダウニン
グ街十番地や英国上下両院など公然とした場所に姿をあらわしている
。それはモンスター映画によく似ていて、長い髪と長い牙をもった恐
しい姿のモンスターが、うなり声をあげ、よだれを垂らしながらそこ
らじゅうをうろつく。
 映画は気晴しになるが、本物のモンスターはビジネススーツを着、
リムジンに乗って国会・議会へ仕事に出かけるのである。これらの人
間は見えるところを堂々と歩いている。彼らは統一世界政府=新世界
秩序の使用人である。婦女暴行犯が犠牲者に優しく声をかけて車に乗
せるように、彼らはさらさらモンスターであるとは見えない。そんな
素振りをチラとでも見せたら、犠牲者は恐怖のあまり金切声をあげて
逃げだしてしまうことだろう。
 同じことは大小の行政機関にも言える。ブッシュ大統領は上位平行
秘密政府の忠実な使用人とは見えないが、だまされてはならない。
彼はホラー映画にあらわれる怪物に引けをとらないモンスターなので
ある。ブッシュ大統領が命令してイラクで十五万人のイラク兵をいか
に惨殺したかを見てみよう。兵士たちはジュネーブ協定の裁定にした
がい、合意された撤退のために白旗を掲げて軍用車に乗りイラクへと
帰還する途中であった。白旗を振っているにもかかわらずアメリカの
空爆にさらされたイラク軍の恐怖を想像してみるがいい。別の戦線で
は、一万二千人のイラク兵が生きながら壕に埋められた。これこそ
言葉の真の意味でモンスターそのものの所行ではないだろうか。
 ブッシュ大統領はどこからこのモンスターの所行を行なえとの命令
を得たのか。王立国際問題研究所(RIIA)からであった。その
RIIAは、「オリンピアンズ(オリンポスの神々)」と呼ばれる
三百人委員会から指令を受けたのである。のちに詳しく述べるが、「
オリンピアンズ」でさえ顔を隠してはいない。しばしば彼らはパリ航
空ショーのような催しを行なう。陰謀探しファンは、誤った場所で誤
った方向に実りのない探索をして時を無駄に費す。エリザベス二世女
王は英国議会開会式で何を演じているか注目してほしい。その場には
、三百人委員会の長が見えるところにいるのである。合衆国大統領の
就任宣誓式を見たことはおありだろうか。その場には、三百人委員会
のもうひとりのメンバーが見えるところにいるのである。問題はただ
気づくかどうかということである。
 全能の三百人委員会に奉仕する陰謀家たちは誰か。確実に陰謀が存
在し、その陰謀はイルミナティ、フリーメーソン、円卓会議(ラウン
ド・テーブル)、ミルナー・グループその他いろいろの名称の団体に
よって遂行されていることが巷間知られている。それらに加えて
CFRと三極委員会とが、内政・外交問題に関する好ましからざる
団体の代表である。円卓会議がワシントンの英大使を通じて合衆国の
諸問題に容喙することを知っている人もいる。
 問題は、見えざる政府のメンバーたちによる反国家活動に関する
真実の情報が、非常に入手しがたいという点にある。私は聖書にある
預言者ホセアの深遠な言葉「悟りのない民は滅びる」を引用しよう。
すでに対外援助に関するスキャンダルについて私が行なった告発をご
存知の読者もおられようが、そのなかで私はいくつかの謀略機関をあ
げた。だが実際のところ、その数は無数だ。彼らの最終目的は合衆国
憲法を廃棄し、主によって神の国として選ばれたこの国を、暗黒時代
よりもさらに劣悪な状態に戻し、神なき統一世界政府=新世界秩序に
併合することにある。

アルド・モロ首相は誰に殺されたか
 私たちは実際にあった歴史のなかの事例、イタリアを共産化しその
産業組織を破壊する計画を問題にすることにしよう。三百人委員会は
ずっと以前に、世界を小さな――現在よりもずっと小さな――よりよ
い世界にしよう、という決定を下していた。つまり、ずっと小さいこ
とがよりよい世界だ、と彼らは考えたのである。そのためには、自然
資源のほとんどを食いつぶすおびただしい数のムダ飯食いが選別され
処分されるべきである。つまり、産業の進歩は人口増加を促進する。
それゆえに、創世記の「産めよ殖えよ地に満ちよ」という神命は廃棄
されなければならない。すなわちキリスト教の破壊、産業国家の緩慢
かつ確実な崩壊、三百人委員会によって「余分な人口」と断定された
何億という人口の削減、委員会のこうした地球計画の邪魔をする指導
者の排除が必要となったのである。
 委員会の初期のターゲットはイタリアとパキスタンだった。イタリ
アの故アルド・モロ首相は同国に要求された「ゼロ成長」と人口削減
に反対した指導者のひとりであったため、「オリンピアンズ」から
政策実行の権限を委託されたローマクラブの怒りを買った。
 一九八二年十一月十日、ローマの法廷でモロの親しい友人のひとり
が、前首相はRIIAのエージェント――彼はまた三百人委員会の
一員でもあった――によって、彼がまだ米国国務長官であった時期に
、脅迫を受けていたと証言した。モロを脅迫したときにキッシンジャ
ーは、明らかに合衆国の対外政策を遂行したのではなく、むしろ三百
人委員会外交政策の一翼をになうローマクラブから受けた指示にした
がって行動したのである。
 公開の法廷で爆弾証言をしたのは、モロの朋友ゴッラード・ゲルゾ
ーニであった。彼の爆弾証言は全イタリアのテレビとラジオで一九八
二年十一月十日に報道され、いくつかの新聞にも掲載された。だが、
この生々しいニュースは合衆国では完全に黙殺された。敢然とした報
道の権利を有するはずの高名な自由の砦、ワシントン・ポストとニュ
ーヨーク・タイムズの二紙は、ゲルゾーニ証言のことは一行たりとも
報道せず、その重要性については一顧だに与えなかった。
 通信社やテレビ局が提供するニュースも同じだった。イタリアの
アルド・モロは何十年にもわたって指導者的な政治家であったこと、
その彼が一九七八年春に白昼誘拐されたこと、彼のボディガード全員
が殺戮されたことなどの事実は、たとえキッシンジャーがこれらの
犯罪の共犯者であることが告発されたとしても、ニュース性がないと
考えられたのであろうか。それとも、キッシンジャーが加担したから
こそ、沈黙を守ったのであろうか。
 一九八二年にこの忌まわしき犯罪を告発したなかで、私は、キリス
ト教民主党の誠実な指導者であるアルド・モロが、P2メーソン結社
のコントロールする暗殺者によって殺害されたことを論証した。P2
は、イタリアをローマクラブが敷いた産業政策と大幅な人口削減の路
線に投げこむという目的をもっていたからだ。完全雇用と産業ならび
に政治の平和を通じてイタリアを安定させるというモロの計画は、
共産主義に対するカトリックの反対を強化し、中東の不安定化という
重要目標をその分だけ難しくするはずのものであった。
 以上に述べたことから、陰謀家たちの計画がいかに先に進んでいる
かは明白である。彼らは五ヵ年計画という観点では考えない。アルド
・モロ殺害事件の意味を考えるには、かつて初期カトリック教会に
ついてワイスハウプト[一七四八~一八三〇、イルミナティの創立者
=訳注、以下同]が宣言したことに戻る必要がある。モロの死は、
イタリアを不安定化する計画の障害を除去したことになり、現在われ
われが理解するところでは、十四年後に湾岸戦争という形で実行され
るはずの中東に対する謀略計画を可能ならしめたのである。
 イタリアは三百人委員会のテスト・ターゲットとして選ばれた。
イタリアは、中東経済と政治に直結する中東にもっとも近いヨーロッ
パの国であるために、謀略者たちの計画にとっては最重要国であった
。イタリアはまた、ワイスハウプトが殲滅を命じたカトリックの総本
山がある国であり、ヨーロッパでもっとも強力な寡頭支配ファミリー
のトップに位する古代の「黒い貴族」のうちの数家の故郷でもある。
 イタリアがモロの死によって弱体化されるなら、中東情勢に波及し
て、この地域での合衆国の影響力を弱体化するであろう。イタリアは
別の視点からも重要である。そこはイランやレバノンからヨーロッパ
へ流入する麻薬の入口なのだが、この問題はのちに取り上げるつもり
である。
 一九六八年にローマクラブが設立されて以来、さまざまのグループ
が社会主義の名のもとに結合し数々のイタリア政府の没落をもたらし
た。
 そのなかには、ベニスとジェノヴァの黒い貴族があり、P2メーソ
ン結社や赤い旅団があり、いずれも同じゴールを目指して活動した。
赤い旅団―アルド・モロ事件を捜査していたローマ警察は、このテロ
リスト・グループと密接に協力するいくつかの非常に重要なイタリア
の氏族の名に出会った。この有力で有名な氏族が、彼らの自宅や所有
家屋を赤い旅団のアジトに提供しているケースが、少なくとも一ダー
スはあるとする証拠を警察はつかんだ。
 アメリカの「貴族」は、イタリア共和国を滅亡させるために一役買
っていた。この仕事に目覚ましい貢献をしたのがリチャード・ガード
ナーで、カーター大統領のイタリア大使として派遣され、公的立場に
ある時期でさえそうだった。その当時、ガードナーは、ローマクラブ
の重要な一員でありNATOのキーマンであるベッティーノ・クラク
シの直接のコントロール下に工作していた。クラクシは、陰謀家たち
によるイタリア共和国滅亡の企ての急先鋒であった。のちに述べるよ
うに、クラクシはイタリアを崩壊させることに九分九厘まで成功しか
かっていた。彼は陰謀家たちの世界支配構造における第一級の策士と
して、イタリア議会で離婚・堕胎法案を強引に通過させるだけの力を
もっていた。そのようなことにでもなれば、カトリック教会ひいては
イタリア国民のモラルに対しこれまでに経験したこともないような
広汎かつ破壊的変化が襲いかかるという事態におちいったであろう。
 ロナルド・レーガン大統領が選ばれたのち、一九八〇年十二月に、
ローマクラブと社会主義インターナショナルの後援のもとに、ある
重要な会議がワシントンDCで開催された。これら二つは、三百人委
員会に直接責任を負う組織である。その会議の主要議題は、いかにし
てレーガン大統領の地位を中立化するかという問題だった。あるグル
ープの提案が採択され、われわれが振り返ってみると、陰謀家たちの
採用決定した計画が成功を収めてきたことは完全に明白だった。
 この謀略がいかに広範かつ巨大であるかを説明するには、ここらで
、三百人委員会には少なくとも四十の「支部組織」が知られていて、
それらの機能と名称についてのリストをあとで掲げることにする。
それをよく研究するならば、一個の陰謀中枢体がいかに効果的に機能
しているか、また、合衆国憲法に謳われたような個人の自由にもとづ
く進歩的文明世界の存立基盤そのものに対して彼らが猛攻撃を仕掛け
ているのに、この世のどんな権力もそれに対抗できないのはなぜなの
かが、明らかになる。
 ゲルゾーニの宣誓供述のおかげで、イタリアおよびヨーロッパは
――合衆国ではなくて――アルド・モロの死の背後にはキッシンジャ
ーが存在していたことがわかった。この悲劇的事件は、三百人委員会
がどんな政府にでも例外なく介入する能力があることを示している。
 キッシンジャーはただモロを脅迫しただけでなく、イタリアの経済
・産業振興政策を断念しないならばモロを「排除」するというその
脅迫を実行したのである。
 一九八二年六月と七月にモロの妻は公開の法廷で、夫が殺されたの
は彼女が言う「合衆国の政府高官」が本気で彼を殺すと脅迫した結果
であることを証言した。エレノラ・モロ夫人は、キッシンジャーが使
ったとゲルゾーニ宣誓供述で報告された言いまわしを、一言一句精確
に何度も繰り返した。つまり、「現在取っている政治路線を止めるか
、その路線のために高価な代償を払うかだ」と。ゲルゾーニは裁判官
に再喚問され、モロ夫人が語っている人物はキッシンジャーに間違い
ないかと問われた。ゲルゾーニは、その人物が自分が前に親しかった
キッシンジャーその人であると答えた。
 ゲルゾーニは法廷で、イタリアの指導者たちが公式訪米したさいに
、キッシンジャーがホテルのモロの部屋を訪れて脅迫したことを重ね
て説明した。モロはNATOのメンバー国であるイタリアの当時の
首相兼外相として高位の人物であり、マフィアもどきの圧力や脅迫に
さらされる筋合いにはなかった。モロはイタリア大統領とともに公式
資格でアメリカを訪問したのである。そのときキッシンジャーは、
いまでもそうであるが、王立国際問題研究所の重要なエージェントで
あり、ローマクラブとCFR(外交問題評議会)のメンバーであった。

なぜ原子力が世界中で憎まれるのか
ウル・ハク大統領の飛行機事故死
中東、朝鮮、ベトナムの三つの戦争によって合衆国を弱体化させる企
みで果たしたキッシンジャーの役割はよく知られているが、湾岸戦争
における彼の役割も同様であり、クウェートを元どおり自分の支配下
に戻し、他の国々が自分の意志で自分の運命を決定しないようにイラ
クを見せしめにするという三百人委員会の傭兵が合衆国軍であった。
 キッシンジャーは独立国家パキスタンの大統領、故アリ・ブットを
も脅迫した。ブットの「罪状」は、核兵器を保有しようとしたことで
あった。イスラム教国パキスタンは、中東での絶えまないイスラエル
の侵略に脅威を感じていた。そのブットは、一九七九年、パキスタン
のCFRであるジア・ウル・ハク将軍によって、法の殺人処分を執行
された。
 上昇志向の強いウル・ハクは、自分は誰にも束縛されないというこ
とをCFRに見せつけ、あわせてもっと援助を得るため、さらにあと
でわかったことではあるが、リチャード・ヘルムズの殺害をも企んで
計画的にイスラマバードのアメリカ大使館を激高した群集に襲撃・放
火させた。幾年かのち、ウル・ハクはアフガニスタンで荒れ狂う戦争
に介入したことによって、死をもって自分の罪を贖わなければならな
かった。彼が乗ったC-130ハーキュリーズ機が離陸直後にELF
(極低周波)の攻撃を受けて、宙返り飛行をさせられ大地に叩きつけ
られたのである。
 ウル・ハク将軍を排除せよという三百人委員会の意を体して、ロー
マクラブはハーバー・ワッサム准将率いる一団の合衆国陸軍国防情報
局員を含む何人もの合衆国軍人をウル・ハク将軍もろとも殺害するこ
とに、一片の良心の痛みも感じなかった。ウル・ハク将軍は、トルコ
秘密情報部から、飛行中に襲撃される危険があるから絶対に飛行機に
乗らないようにと、ずっと言われ続けていた。そのことがあったのか
、ウル・ハクは「保険対策」として米国のチームと一緒の飛行機に乗
るのだと側近に漏らしていた。
 一九八九年、私は『空中のテロル』という著作で、事件を次のよう
に書いた。
 「ウル・ハクのC-130がパキスタンの軍事基地から離陸する少
し前、奇妙なトラックがC-130を収めてある格納庫のすぐ近くに
止まっていた。管制塔が監視要員にそのことを知らせたが、C-130
はすでに離陸し、謎のトラックはすでにその一から姿を消していた。
その一、二分後、機は宙返りをはじめ、大地に叩きつけられて火の玉
と化した。C-130のこのような行動は、驚異的な信頼性を誇る
同機としてはまったく説明のつけようがないものだった。パキスタン
と合衆国との共同調査の結果では、パイロットにも過失がなく、機械
あるいは構造上にもなんら欠陥はなかったことが明らかになった。
が、宙返り飛行は、航空機がELF銃で攻撃されたさいの明白なトレ
ードマークであった」
 ソ連軍が低周波銃の開発が可能であったことは、クルチャトフ原子
力研究所集中高速電子ビーム部門に所属するソ連科学者たちの研究を
通じて、西側にも知られていた。その二人の専門家は、Y・A・ヴィ
ノグラオフとA・A・ルカゼである。二人の科学者はレデデフ物理学
研究所に勤務していたが、同研究所は電子工学とX線レーザー専門の
研究所であった。
 この情報を得た私は、他の資料から裏付けを探したところ、米国に
おいて国際エレクトロニクス・ジャーナル誌が、ハク将軍のC-130
撃墜に用いられた方法に関して私が得た情報を裏づける資料を刊行し
ていたことがわかった。加えて、この情報は間違いないと、私の二人
の情報源が請け合ってくれた。
『ソ連のラジオ・エレクトロニスと通信システム』と題して英国で刊
行されたソ連のこうしたテーマに関する科学論文から有益な情報を、
私は手に入れた。
こうして私には、ウル・ハク将軍が殺害されたことは疑いのない事実
となった。C-130の格納庫の近くにあったトラックは、疑いもな
くソ連軍が所有していると考えられるタイプの可動型ELF砲を搭載
していたのである。
 アリ・ブットが入獄中にひそかに国外にもちださせた彼の自筆証言
によると、キッシンジャーの脅迫は強烈であった。「お前が国家建設
計画を続けるというのなら、恐ろしい目に会わせてやる」。パキスタ
ンに近代化産業をもたらすべく原子力エネルギー計画を要求するブッ
トは、キッシンジャーならびにローマクラブと衝突していた。このよ
うな計画は、三百人委員会の目から見れば、パキスタン政府にキッシ
ンジャーが与えた命令に真っ向から対立するものだったのだ。
 キッシンジャーがアリ・ブットを脅迫した行動は、合衆国政府の
公的な行動ではなく、現代のイルミナティの政策である。

国をコントロールする武器「対外援助」
 なぜ原子力が世界中で憎まれるのか、またなぜエセ「環境保護」運
動がローマクラブによって創立され、経済的援助を受けて反核闘争を
遂行するよう要請されたのかについて、はっきりと理解する必要があ
る。
 安価に大量の電気を供給する核エネルギーがあれば、第三世界諸国
は合衆国の対外援助を受けずに独自の力で歩めるようになる。核によ
る電力は、第三世界諸国が、三百人委員会が封じこめようとしている
立場、後進国という立場から脱却する重要な鍵なのである。
 対外援助が少なければ、IMFによる天然資源コントロールを受け
ることが少なくなる。ローマクラブとそれを支配する三百人委員会が
ひどく嫌ったのは、発展途上国が自分たちの運命を自分たちで管理す
るという考え方であった。合衆国では引き続き、ローマクラブの「脱
工業化ゼロ成長」計画と呼応して、産業発展を封じこめる役目をみご
とに果たしている核エネルギー反対が見られるのである。
 アメリカの対外援助に依存することは、実際には諸外国をCFRに
隷属させる。援助を受ける国の人びとは、ほんの少ししかうるおわな
い。IMFが国の天然資源を情容赦なく丸裸にする許可を与える見返
りに、政府の指導者たちのポケットに援助金が収まるからである。
 元ローデシア、現ジンバブエのムガベ[ロバート・ガブリエル・ム
ガベ、一九二五~、同国初代首相一九八〇~]は、天然資源(この場
合は純度の高いクロム鉱)がいかに対外援助によって支配されるかの
良い例である。LONRHO[ロンロー、一九〇九年ロンドン・ロー
デシア鉱業土地会社として設立。八二年に現社名となる。世界八十カ
国以上に八百の子会社を有する英国のコングロマリット。本社ロンド
ン。従業員九万四千人]、三百人委員会の重要なメンバーのアンガス
・オギルヴィーが彼のいとこ女王エリザベス二世に代わって管理する
この巨大な産業複合体は、現在ではこの重要資源を完全に支配してい
る。その一方で、合衆国から三億ドルを超える施しを受けているにも
かかわらず、国民は貧困と悲惨の底にますます沈んでいくのである。
 ロンローは現在ではローデシアのクロム鉱を専制支配し、思うがま
まにその価格を操っているが、スミス[イアン・ダグラス・スミス、
一九一九~、ローデシア首相(一九六四~七九)、一九六五年に英国
からの独立を一方的に宣言した]政権のもとではそうはいかなかった
。ムガベ体制が権力をとる以前は二十五にわたって適切な価格水準が
維持されていた。イアン・スミス政権下の十四年間にもいろいろな問
題があったが、彼の退陣後、失業者は四倍になり、ジンバブエは混沌
状態におちいり事実上崩壊した。ムガベはアメリカから多額の対外援
助を受け(年間ほぼ三億ドル)、彼自身は三つのホテルをフランスの
コートダジュール、キャプフェラとモンテカルロに建設できた。とこ
ろが同国の市民たちは、不平不満をいっさい寄せつけない冷酷非常な
独裁政治は言うにおよばず、疾病や失業、栄養失調と闘っている。
このことは、アメリカに一セントも対外援助を要求せず、受け取りも
しなかったスミス政権とは対照をなしている。
 ジンバブエとすべてのアフリカ諸国にみられるように、対外援助は
その国をコントロールする強力な武器となることは明白である。
 このことはアメリカ市民をも不本意な苦役に縛りつけ、政府に対す
る意義のある反対をできにくい状態にさせている。
 デイヴィッド・ロックフェラーは、一九四六年に対外援助案を法律
として通したとき、自分がやったことをよく知っていた。そのとき
以来それは、正体が暴露されてみると、法令集に載っているなかでも
もっとも憎むべき法律のひとつとなった。つまり、政府が実行して
われわれ国民がツケを払うというペテンである。

ローマクラブと統一世界政府計画
三百人委員会のもっとも重要な外交部門
 陰謀家たちはいかにして世界を掌握し続け、とりわけ米・英を窒息
させ続けることが可能なのか。もっともよく問われる質問はこうだ。
 「ひとつの団体が、いついかなるときでも起こっていることを把握
するなどということが、どうしてできるのだろうか、どうやってそれ
をコントロールするのだろうか?」
 本書はこのような質問、またその他の質問に答えようとするものだ。
 陰謀家の成功の実体と取り組みうる唯一の方法は、三百人委員会の
メンバーを擁する秘密団体、公然組織、政府機関、銀行、保険会社、
国際企業、石油産業、その他何十万という団体・財団の活動に論及す
ることである。三百人委員会という究極の支配団体は、いま現在、そ
して少なくとも百年間にわたって世界を操っているのである。CFR
と三極委員会についてはすでに多数の書物が刊行されているので、
われわれは真直ぐにローマクラブとドイツ・マーシャル財団について
述べよう。
 私がこれらの組織をアメリカで紹介したときには、ほとんど誰も知
らなかった。一九八三年に刊行した私の最初の著作『ローマクラブ』
は、ほとんど誰の関心もひかなかった。十分な知識のない多くの人び
とは、ローマクラブとはカトリック教会に関係ある何かだろうとか、
ドイツ・マーシャル財団とはマーシャル・プランと関係ある何かだろ
うぐらいにしか考えなかった。
 三百人委員会がこういうたぐいの名前を付けたのは、まさにその理
由からである。真実起こっていることから目をそらせ混乱させるため
だ。合衆国政府はそれを知らないのではなくて、陰謀の一部として動
き、真実を知らせるよりは情報を隠蔽する手助けをした。
 私が出版してほんの数年後、数人の著述家が私の著作のなかに未発
掘の情報の山があることに気がついて、あたかも彼ら自身この問題に
かねてから通暁していたかのごとく書いたり語ったりしはじめた。
 ローマクラブとその大蔵省であるドイツ・マーシャル財団とが、
北大西洋条約機構[NATO]という隠れ蓑の下に機能する二つの
高度に組織された謀略機関であること、ローマクラブ執行部の大多数
はNATO関係者であることが彼らにひらめいたのだ。ローマクラブ
はNATOが政策として掲げたものをすべてまとめ上げ、三百人委員
会のメンバーであるキャリントン卿の活動を通じて、NATOを政治
的(左翼)勢力とそれまでの軍事同盟との二つの党派に分けた。
 ローマクラブは、いま現在も三百人委員会のもっとも重要な外交部
門のひとつである。もうひとつは、ビルターバーガーズである。ロー
マクラブは一九六八年に、そもそもモーゲンソー・グループの強硬派
たちが、統一世界政府――私はこの名のほうが正確であるとは思うの
だが、現在では新世界秩序と呼ばれている――計画をはやめるための
新規かつ緊急の運動を興すために、故アウレリオ・ペッチェィから
電話で招集されたことを共通基盤として結成したものである。統一
世界政府は新世界秩序よりも確かに正確に内容をあらわしている。
 以前にはいくつかの「新世界秩序」があっていさささかまぎらわし
かったし、「統一世界政府」はひとつもなかったからである。

不況がひき起こす地球規模の社会変動
ペッチェイの電話には、アメリカ、フランス、スウェーデン、英国、
スイスそれに日本から、召集可能なものたちのなかでも、もっとも破
壊活動的な「未来計画者」たちが応えた。一九六八年から一九七二年
にかけて、ローマクラブはニューサイエンス科学者、世界主義者、未
来計画者、ならびにあらゆる種類の国際主義者の結合体となった。
 ある代表が「われわれは、いろいろな色のヨセフの晴れ着[ハゲイ
トウのこと]になった」と述べたように、ペッチェイはその著『人間
の本質』でNATOの政治的一翼によって採用された基本理念を構築
している。次に引用するのは、ペッチェイ博士著『人間の本質』から
の抜粋である。
 「最初の千年王国がキリスト教世界に接近して以来はじめて、大勢
の人びとが、人類共通の運命を完全に変えてしまうような何かが近く
起こるのではないかという懸念を抱いている……人間はいかにして
現代人になるかを知らない……人間は悪い竜という物語を考えだした
。けれども、もしそんなものがいるとすれば、悪い竜とは人間そのも
のである。ここには人類の逆説がある。人間は、自分自身の驚くべき
能力と達成のワナ、流砂のごときワナにはまった――力を用いれば用
いるほど、力を必要とする」
 「われわれは、現代の広範な病的な状態と人類システム全体との不
適合とは、移りゆく環境や周期的危機と同じものと考えるのがいかに
愚かであるか、繰り返し説くことに決して飽きてはならない。人間が
新しいテクノロジーというパンドラの箱を開いたので、人類の増殖、
成長への執着、エネルギー危機、資源の枯渇、環境悪化、核の愚行、
その他の悩みをコントロールできずに悩んできた」
 これはずっとあとに、同じローマクラブが産業の発展をナマクラに
し、押し戻すために、おびただしく増殖したニセの「環境保護論者」
と軌を一にしたプログラムである。
 大まかに言えば、ローマクラブが前もって立案した対抗計画は、
麻薬、ロック、セックス、快楽主義、悪魔主義、黒魔術ならびに「環
境保護主義」のような対抗文化運動と抱き合わせになって、アメリカ
での「脱工業化」思想のでっち上げと普及を覆い隠そうとした。事実
、タヴィストック研究所、スタンフォード研究所、社会問題研究所、
つまり事実上は応用社会精神医学の広汎な研究機関の全体が、ローマ
クラブに代表を擁するか、さもなければ『水瓶座の陰謀』を適用しよ
うとするNATOの計画においてアドバイザーとして活躍し、指導的
役割を果たしたのである。
 新世界秩序という名称は、一九九一年の湾岸戦争の結果として盛ん
に用いられるようになったようである。それに対して統一世界政府と
いう言葉は、一世紀も前から知られていた。新世界秩序は新しい名称
ではないが、長らくは「未来発展」ということを偽装する言い方であ
った。新世界秩序は「過去と現在」に関するものである。私が以前か
ら統一世界政府と呼ぶべきであると主張したのは、そのためである。
 アウレリオ・ペッチェィは、かつて彼の親しい友人アレクサンダー
・ヘイグに、自分は「アダム・ワイスハウプト[イルミナティの創立
者]の生まれ変わり」のような気がする、と打ち明けた。ペッチェイ
には多分に今日のイルミナティを組織し統制するワイスハウプトのよ
うな輝かしい才能があり、ペッチェイNATOに対する統制と地球規
模の政策にはそれが示されている。ペッチェイは三十年にわたり大西
洋協会経済会議議長をつとめ、ジョヴァンニ・アニェリがオーナーの
フィアット自動車会社の代表取締役であった。
 アニェリは、同姓の古代イタリアの「黒い貴族」の一員であり、
三百人委員会のもっとも重要なメンバーである。彼はソ連の発展プロ
ジェクトに指導的な役割を果たした。
 ローマクラブは英・米の金融資本家とヨーロッパの黒い貴族、とり
わけロンドン、ベニス、ジェノヴァの「黒い貴族」とが合体した陰謀
統率機関である。
世界コントロールに有効な鍵は、苛酷な景気後退と究極の大不況とを
つくりだし管理する彼らの能力である。三百人委員会は、世界中に未
来の「生活保護」受給者となる人民大衆を大量につくりだす原理的な
方法として、やがてやってくる重大事のために人民大衆の抵抗力を弱
める技術として、不況をともなう地球規模の社会変動に期待をかけて
いるのである。
 委員会は、人類に影響を与える重大な決定を下す際に、ポーランド
の貴族フェリックス・ジェルジンスキーの哲学を基礎にしたように見
受けられる。ジェルジンスキーは、人類を、家畜の水準よりも少しま
しな程度と見なしたのである。英国の情報部員シドニー・レイリー(
レイリーはボルシェヴィキ革命の草創時代にジェルジンスキーを操っ
ていた)の親友として、彼はしばしば酒を飲むあいだはレイリーに
秘密を打ち明けた。ジェルジンスキーはもちろん赤色テロル機関を走
らせる獣であった。彼はあるとき、二人の酒宴の折、レイリーに次の
ように語ったことがある。
 「人間なんてロクなものじゃない。飢えたときの人間を見るといい
。仲間の死体を食べてでも自分は生きのびようとするのだ。人間は
自分が生き残ることしか考えないものだ。大事なのは、ここだ。スピ
ノザなんてやつはてんでガラクタにすぎん」
 ローマクラブは彼ら自身の秘密情報機関をもっているが、デイヴィ
ッド・ロックフェラーのインターポール(INTERPOL)を一時
的に借用することもある。アメリカの各情報機関はいずれもローマク
ラブの情報機関と密接に協力する。KGBやモサドとも協力する。
その手が及ばなかった唯一の情報機関は、東ドイツの国家治安警察
STASSIであった。ローマクラブはまた高度に組織された政治的
・経済的情報機関ももっている。レーガン大統領に、三百人委員会の
重要メンバーでもあるポール・ボルカーの職務を解かないように勧告
したのは、彼らであった。大統領候補レーガンは、自分が選ばれたら
すぐにもボルカーを解任するとはっきり公約していたにもかかわらず
、ボルカーは連邦準備制度理事会議長に留任した。

ケネディ大統領が拒否した「危機管理」計画
 ローマクラブは、キューバ・ミサイル危機にも重要な役割を演じた
のち、「危機管理」(FEMAの前触れ)計画をケネディ大統領に売
りつけようとした。ダヴィストック研究所の科学者たちがその内容を
説明しに大統領に直接会いに行ったが、大統領は彼らが提示した案を
拒否した。
 ケネディが暗殺されたその年に、タヴィストックはNASAと会談
すべくワシントンに戻った。今回は会談は順調に進んだ。タヴィスト
ックはアメリカの世論を来るべき宇宙計画に引きつける効果を高く
評価したNASAと契約を結んだ。
 この契約内容は、スタンフォード研究所とランド・コーポレーショ
ンに委託された。タヴィストック、スタンフォード、ランドで作製さ
れた膨大な資料は、現在にいたるまで陽の目を見ることはなく封印さ
れたままである。私が情報を得ようとして接触した上院監視委員会と
いくつかの小委員会は「そんな話は聞いたことがない」という返事か
、私が求めていることを発見する手がかりすらも与えないかであった
。これが、三百人委員会の力と威信である。
 一九六六年、私は情報機関の同僚から、政府が関心を抱いていると
いううわさのある評論を書いたアナトール・ラパポート博士に接触す
るように教えられた。それはNASAの宇宙計画を止めさせようとい
う意図のもとに書かれた論文だった。まったく幸いにもラパポートは
その論文の写しを私に送ってくれたが、基本的にはNASAの宇宙計
画は反古にすべきであると主張していた。
 NASAはあまりにも数多くの科学者を抱えこみ、アメリカに悪影
響をもたらしている。なぜならそれらの科学者たちは、しきりと学校
や大学で、構造や発射にいたるまでいかにロケットが動くかを講義し
たがっている。ラパポートは、このようなことは、宇宙科学者になり
たがる大人をつくりだすだけであり、紀元二〇〇〇年までには誰も
その必要を感じない「過剰な」人員となるだけだと断言している。
 NASAに関するラパポートの論文がローマクラブを通じて
NATOに提出されるや否や、三百人委員会は直ちに行動を起こした
。反NASA行動に対する緊急会議を要求したNATO=ローマクラ
ブのメンバーは、ハーランド・クリーヴランド、ジョセフ・スレイタ
ー、クレイボーン・K・ペル、ウォルター・J・レヴィ、ジョージ・
マッギー、ウィリアム・ワッツ、ロバート・シュトラウス-ヒュープ
(NATO米大使)とドナルド・レッシュであった。一九六七年五月
、会議は北大西洋同盟科学技術委員会と外交政策研究所の主催のもと
に開催された。それは「大西洋間の不均衡と協力についての会議」と
称され、フランスのドーヴィユにあるエリザベス女王所有の宮殿のよ
うな建物で開催された。
 ドーヴィユ会議の基本的な目的と意向は、合衆国の技術と産業の進
歩にとどめを刺すことにあった。この会議の結果、二冊の本が出版さ
れた。ひとつは、ズビグニュー・ブレジンスキーの『テクノトロニッ
ク時代』で、もうひとつは、同会議議長のアウレリオ・ペッチェイが
書いた『深まりゆく亀裂』である。ペッチェイは全面的にブレジンス
キーに同意したが、さらに「統一世界政府によって支配されない」
世界は将来、混沌状態におちいるだろうと付け加えた。この点に関し
てペッチェイは、ソ連は「NATOに収束」しなければならないと
主張した。
 ここにいう収束とは、アメリカとともに統一世界政府のパートナー
となることを意味する。米ソは、将来の「危機管理と地球規模の計画
」に責任をもつようになるというのである。

アフリカ諸国を死にいたらしめる計画
 ローマクラブの最初の「地球規模計画」は初期の三百人委員会の一
員であったマサチューセッツ工科大学(MIT)によって進行した。
ジェイ・フォレスターとデニス・メドウズがプロジェクトを管理した。
 彼らは何を報告したのか。基本的にはマルサスとフォン・ハイエク
が説いたところと変わりなく、全員に行きわたるだけの自然資源がな
いという話のむし返しである。フォレスター-メドウズ報告は、完全
な欺瞞である。この報告に欠陥しているのは、人間には証明ずみの
創造の天性があって、十中八九、「不足」の問題を徐々に解決してい
くであろうという点である。
 三百人委員会が不倶戴天の敵としている核融合エネルギーは、自然
資源をつくりだすことができるはずである。核融合トーチは一立方メ
ートルの通常の岩石から、たとえば四年間の需要をみたすほどのアル
ミニウムを取りだすことができるはずである。
 ペッチェイは民族国家に対して、彼らがいかに人類の進歩を妨げて
いるかと倦まずたゆまず説いた。彼は「集団責任」を要求した。民族
主義は人間にとってのガンであるというのが、ペッチェイのいくつか
の演説の重要なテーマであった。彼の親しい友人であるエルヴィン・
ラズロが一九七七年に出版した、ローマクラブ研究の里程標である『
人類の到達目標』という本にも類似のことが述べられている。これら
の歳月のあいだキッシンジャーは、非公式の仲介人としてRIIAに
代わってモスクワと接触していた。『グローバルモデリング』紙には
、定期的にキッシンジャーのクレムリンの友人たちが参加している。
 第三世界に関しては、ローマクラブのハーランド・クリーヴランド
が最高に冷笑的な報告を出した。その報告を出したとき、クリーヴラ
ンドはNATOに派遣されたアメリカ大使であった。本質的にはその
報告では、第三世界諸国は人口削減を決定すべきであると説いている。
 ペッチェイはのちに(クリーヴランド報告を基礎として)次のよう
に述べている。
 「三大国とブロックの混乱した政策で打撃を受け、あちこちつぎは
ぎしたような形で事態が収拾され、現存する国際経済秩序は明らかに
瓦解している……優先順位を決める必要――誰を助けるべきかを決め
る――を展望すると、実に恐るべきものとなる。だが、いたましいこ
とではあるが、このように事態が進むとすれば、このような決定を下
す権利は、世界の飢餓と生命に大きな影響力をもつことであるから、
少数の国のみに委ねざるを得ない」
 ここには、サブ-サハラ諸国に明白に見られたように、アフリカ諸
国を死にいたらしめる委員会の政策が見られる。これは最悪の意味で
の冷笑である。なぜならば、三百人委員会はすでにアフリカ自身に
生死を決定させることを放棄させたことを、ペッチェイは知っていた
のである。彼はいち早く『成長の限界』でそれを明示していた。
 ペッチェイは完全に工業と農業の発展を廃棄し、世界が統一世界政
府のひとつの共同の会議、少なくともローマクラブとそのNATO参
加国の下に置かれることを要求した。自然資源は、地球計画の援助の
もとで配分されなければならなかった。各国はローマクラブの管理支
配を受けいれるか、密林の法則にしたがって生き残り、生き残るべく
闘わなければならなかったのである。
 その最初の「テストケース」が、RIIAのためにメドウズとジェ
イ・フォレスターが、一九七三年に立案したアラブ・イスラエル戦争
だった。これは、石油のような自然資源を将来、世界計画者の管理下
に置くこと、すなわちそれは三百人委員会の管理下に置くことを意味
していた。
 タヴィストック研究所がマクジョージ・バンディ、ホーマー・パー
ルムッター、ならびにアレクサンダー・キング博士も招待しペッチェ
イとの協議を召集した。ロンドンからペッチェイがホワイトハウスに
やってきた。そこで彼は大統領や高官と合い、次いで国務長官、国務
省情報機関、政策立案会議と会談すべく国務省におもむいた。かくし
て、そもそもの最初からアメリカ政府はこの国に対して行なわれる
三百人委員会の計画を知っていたのである。
 このことは、「なぜわが国の政府は、ローマクラブが合衆国のなか
で行なう破壊活動を許したのか」という、よくもちだされる質問の答
えとなるはずである。
 ボルカーの経済金融政策は、三百人委員会のメンバーで英国の大蔵
大臣のサー・ジェフリー・ホウのそれの反映であった。このことは、
一八一二戦争からはじまって三百人委員会のメンバーで英国の大蔵大
臣のサー・ジェフリー・ホウのそれの反映であった。このことは、
一八一二年戦争からはじまって三百人委員会の政策を通じて、いかに
英国がアメリカをコントロールしているかを描いて見せてくれる。

二十一カ条の最終目標
 イルミナティ、風を征服するモリア、ディオニソス教団、イシス教
団、カタリ派、ボゴミール派の後継者である秘密のエリートグループ
の最終目標は何か。
 自らもまたオリンピアンズと呼ぶこのグループ(彼らは真実自分た
ちは伝説のオリンポスの神々と同等の力を備えていると信じ、神とあ
がめるルシファーを、われわれの真実の神以上の位置に置いている)
は、神聖なる権利によって次のことを完遂することが絶対の使命と信
じている。
 (1)教会と金融システムを彼らの管理下に置いた統一世界政府=
新世界秩序。統一世界政府が一九二〇年代、三〇年代に「教会」を興
しはじめたことを知る人は多くない。彼らは人類には本能的に宗教信
仰の必要があることを認識した。そこで彼らは、自分たちが望む方向
へ信仰のチャンネルを切り替えさせるために「教会」を興したのであ
る。
 (2)すべての民族性と民族的な誇りを徹底的に破壊する。
 (3)彼らが編みだした前記のものを別として、宗教、とくにキリ
スト教を破壊する。
 (4)マインド・コントロールや、ブレジンスキーが「テクノトロ
ニクス」と呼んだ人間に似たロボット、フェリックス・ジェルジンス
キーの子どもが遊ぶように殺しを行なう「赤色テロル」などの手段を
通じて、個々人をコントロールする。
 (5)いわゆる「脱工業化ゼロ成長社会」において、産業と電力を
生みだす核の生産を終焉させる。例外はコンピューターとサービス産
業である。アメリカ合衆国の産業はメキシコのような奴隷労働が豊富
な国々に輸出される。
 (6)麻薬とポルノグラフィの合法化。
 (7)大都市の人口削減は、カンボジアではポル・ポト政権によっ
て実現された。ポル・ポトの人間絶滅作戦と同じことが、合衆国では
ローマクラブの研究調査機関のひとつによって実行に移されるだろう
ということに注意する必要がある。
 (8)三百人委員会が価値ありと判断した以外のすべての科学を抑
圧する。
とくに標的とされるのは平和利用の核エネルギーである。とりわけ
三百人委員会とその手先の新聞が憎悪を叩きつけるのは、核融合実験
である。核融合トーチの開発は、三百人委員会の「限りある自然資源
」という見解を窓の外へ吹き飛ばすであろう。
 適切に用いられた核融合トーチは、非常にありふれた物質あるいは
利用されていない天然資源から無限にエネルギーを取りだすであろう
。核融合トーチの用い方は無数にあり、一般にはまだ知られていない
利用法で人類に益するであろう。
 (9)先進国の限定戦争という手段、または第三世界諸国の飢餓と
疾病という手段によって紀元二〇〇〇年までに実行される三十億人の
「ムダ飯食い」と呼ばれる人びとの死。三百人委員会はサイラス・ヴ
ァンスに、このような大殺戮をもたらす最上の方法について報告させ
ている。この論文は『グローバル2000報告』という題で出版され
、合衆国政府を代表してカーター大統領がこれに賛成し、国務長官
エドウィン・マスキーが承認している。『グローバル2000報告』
にそって、合衆国は二〇五〇年までに人口を一億人まで減らすはずで
ある。
 (10)大量に失業者をつくりだして、国民の士気を阻喪させ、
労働階級の労働者を混乱させる。ローマクラブが採用した脱工業化
ゼロ成長政策により仕事が縮小される結果、士気阻喪させられた労働
者たちは、アルコールと麻薬に走るだろう。わが国の若者たちはロッ
ク・ミュージックと麻薬で現状に対して反抗しようとするだろう。
そして、このような破壊は家族単位に及ぶだろう。
 この視点から三百人委員会はタヴィストック研究所に、いかにして
このような状態をつくりだすのかの詳細な計画案を用意させている。
タヴィストックはウィリス・ハーモン教授指導のもとにスタンフォー
ド研究所をこの作業に当たらせた。この事業はのちに『水瓶座の陰謀
』として知られるようになった。
 (11)次から次へと危機をつくりだしては、そのような危機を「
操作」し、あらゆる地域の人びとに自分で自分の運命を決定できない
ようにさせる。
こうすることによって、あまりにも多くの選択肢に人は嫌気がさし、
巨大な規模で無関心が広がるという結果を生じさせる。
 合衆国の場合には危機管理の部局がすでに設けられている。その名
を連邦緊急管理庁(FEMA)と呼ぶ。私はこの部局の存在を
一九八〇年に明らかにした。FEMAについては、あとの章でさらに
述べる。
 (12)新しいカルトを導入し、不潔で退廃的なミック・ジャガー
の「ローリング・ストーンズ」(ヨーロッパの黒い貴族たちに非常に
気に入られたストリート・ギャング・グループ)や「ザ・ビートルズ
」にはじまるタヴィストック研究所がつくりだしたすべてのロック「
ミュージック」ギャングを含む、すでに活動している者たちを煽動す
る。
 (13)イギリス東インド会社の奉仕人ダービーがはじめたキリス
ト教原理主義のカルトを引き続き奨励する。原理主義は、ユダヤ人こ
そ「神に選ばれた民」であると説くことを通じて、また、キリスト教
助成という宗教上の理由によりかなりの金額を寄付させることによっ
て、シオニスト国家イスラエルを間違って強化することになるだろう。
 (14)ムスリム同胞団、イスラム原理主義、シーク教徒のような
宗教的カルトを拡大強化し、ジム・ジョーンズの体験と「サムの息子
」型の殺人を実行する。とくに、故アヤトラ・ホメイニが通称MI6
として知られる英国軍事情報部第6課の傀儡であることは、私が
一九八六年に出版した『何が真にイランで起こったか』で述べたこと
である。
 (15)存在する全宗教、とくにキリスト教を徐々に弱体化させる
ために、世界中に「宗教的解放」の思想を宣布する。これは「イエズ
ス会の解放の神学」にはじまった。この思想はニカラグアを支配して
いたソモサ一族を失墜させ、現在ではエルサルバドルを滅亡させ、
コスタリカとホンジュラスを二十五年間にわたる内戦に引きずりこん
だ。
 いわゆる解放神学説の活動的な実例は、共産主義志向のマリー・ク
ノール伝道団である。近年、広範なメディアの注意をひいた、エルサ
ルバドルで発生したマリー・クノールの四人の尼僧による殺人事件が
このことを証明する。
 四人の尼僧は共産主義者で破壊分子であり、彼らの活動はエルサル
バドル政府の記録に残されている。合衆国の新聞やニュースメディア
は、エルサルバドル政府が所有する膨大な記録、マリー・クノール伝
道団の尼僧が国内で行なっていたことを証明する記録を、一行たりと
も報道することを拒絶した。マリー・クノールは多くの国々で活動し
、ローデシア、モザンビーク、アンゴラ、南アフリカへ共産主義を持
ちこむうえで大きな役割を果たした。
 (16)世界経済の全面的崩壊の原因をつくり、政治の全面的混乱
を引き起こす。
 (17)合衆国の内政外政をコントロールする。
 (18)国連(UN)、国際通貨基金(IMF)国際決済銀行
(BIS)、国際司法裁判所などの超国家的組織に、可能なかぎり
全面的な支援を与える。
 (19)すべての政府を破壊し、政府によって代表される国民の侵
すべからざる高潔さを内部から崩壊させるべく活動する。
 (20)世界にまたがるテロリスト機構を組織し、テロリスト活動
が行なわれた場合はいつでもテロリストと交渉する。
 モロ首相とドジャー准将が誘拐されたとき、イタリア政府とアメリ
カ政府に赤い旅団と交渉するように説得したのはベッティーノ・クラ
クシであったことを想起せよ。
 余談であるが、ドジャー准将は、彼に起こったことを決して口外し
ないように口封じされていた。もし彼が喋るようなことにでもなれば
、キッシンジャーがアルド・モロ、アリ・ブット、ジア・ウル・ハク
将軍に執行したような「恐ろしい実例」となったことは疑いない。
 (21)完膚なきまでに破壊する目的をもって、アメリカにおける
教育をコントロールする。
 これらの目標の多くは、私が一九六九年にはじめて明らかにしたも
のであるが、その後、達成されてきたし、十分に達成されつつある。

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