たんぱく質の折り畳みの異常、「フォールディング病」は、小胞体ストレスが正常に修復されないまま異常蛋白合成が進むことが原因です。小胞体ストレスには、その機能をサポートする役割の分子シャペロンという存在が知られており、このような異常たんぱく質をため込まないように、修復する機能を私たちは持っています。これらの異常蛋白を放置していると、いろいろな臓器細胞が死んでしまい、運動障害や言語障害などが現れます。「フォールディング病」の代表的な例は、プリオン病（BSE・狂牛病）やパーキンソン病、アルツハイマー病などです。

　つまり、分子シャペロンを働かせることで、私たちは、このような病気に至る前に、修復を果たして、健康を維持することが可能なのです。その分子シャペロンとして天然循環療法からのお勧めは、”ヒートショックプロテイン”（HSP）です。その中でも今すぐ実践できるのが、お風呂と冷水行です。40度のお湯に20分もしくは、42度のお湯に15分など自分に合った入浴スタイルを活用することです。私は、柚子と自然塩、ハーブ（ミントやヨモギなど）を湯舟に浮かべて、その湯気を鼻から吸い込むことで、気管支の浄化も兼ねて実践しています。マグネシウムは経皮吸収すると１００％で、胃酸を通さないで、ビタミンCとミネラルを経皮吸収しておくと、体液の浄化やデドックスにもつながります。（HSP）の活用は、白血球のリンパ球増加も著しく、免疫増強効果によって、ウィルスなどにも感染しにくくなります。

参照：■熱ショックタンパク質

　分子シャペロンとして機能するストレスタンパク質は、現在では寒さへの曝露、紫外線、創傷治癒または組織リモデリングなどの他のストレスでも発現することが知られています。低分子量タンパク質であるユビキチンは酵素複合体であるプロテアソームを介したタンパク質分解において重要な役割を果たしていますが、この分子もまた”HSP”としての性質を持つ。

　ユビキチンは不要なタンパク質の除去を始めとして、DNA修復、シグナル伝達など多彩な機能を持っています。この機能の差は複数のユビキチンがどのような結合の仕方をするかで変わってきます。 まずユビキチン化はフォールディングが異常なタンパク質（ミスフォールドタンパク質）や不要になったタンパク質を細胞から除去するためにも重要な役割を持っており、このシステムをタンパク質の品質管理と呼びます。新生タンパク質の約30％がミスフォールディングタンパク質であると言われており、まずはじめにこれらのタンパク質をhsp90等の分子シャペロンが修復しようと試みているようです。修復が不可能なほどタンパク質の構造がひどく壊れていたときには小胞体から細胞質に輸送され、分子シャペロンによって品質管理され、リサイクル再生されるようです。これらの遺伝子制御の正しい動きをもたらしているものが特定されれば、修復的医学、天然循環療法が発展するだろうと見込まれます。冷水、お風呂、サウナ、筋トレなどは、これらのメカニズムに関与して、私たちの健康を支え、日々、遺伝子を制御しながら修復を行っているのです。オートファジーには、断食。分子シャペロンには、”HSP”ですね。

　また、2019年、ノーベル医学賞に輝いた■「低酸素への適応メカニズム」腎臓から【エリストポエチン】というホルモン分泌をしており、そのホルモンが、造血幹細胞へ届くと赤血球になるという作用機序が知られています。